マーケティング・マイオピア(Marketing Myopia)

  1. 経営戦略
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目先に囚われ市場機会を失う

企業にとって経営環境の変化への柔軟な対応は、企業存続の重要な要件である。市場が変化しているにも関わらず、それに対応せず昔と変わらないことをしていると気づいた時には時代遅れ、となるのである。

まさに昨日の常識は今日の非常識だ。

このうように、企業が自社の事業を、狭く解釈しすぎて変化への対応力を失い、市場機会を逃すことをマーケティング・マイオピアという。マイオピアとは、近視眼的といういみで、目先に囚われ大局を見通すことができない状態を言う。

マーケティング・マイオピア(近視眼)は、1960年刊行のハーバード・ビジネス・レビューにおいて、セオドア・レビット(Theodore Levitt)が用いた言葉で、それまでの欧米企業で支配的な考えであった「モノづくり絶対主義」をやめ、企業は「顧客満足追求を目的とするマーケティングを中心に活動すべき」であるという主張だ。

米国鉄道会社の衰退の事例

マーケティング・マイオピアの例として、米国における鉄道会社の衰退が有名だ。

鉄道会社が衰退した要因は、自社事業を「鉄道事業」とし、「輸送事業」と捉えなかった為だとしている。

当時のアメリカでは、鉄道が自動車や航空機に押されて衰退してしまっていた。その原因は、鉄道会社が、自らの使命を鉄道車両を動かすことと定義しており、顧客が求めているものが「輸送手段」であることに気が付かなかった。

そのため、「輸送事業」の代替手段としてのトラックやトレーラー輸送が出現。結果的に、鉄道輸送のニーズが侵食され、事業衰退を招いてしまったわけである。

鉄道会社は荷物の輸送手段としてトラック等の代替的な輸送手段が現れ、人の輸送手段としてバスや自家用車、航空機などの手段が現れたときに、重大な脅威だと考えるべきだった。

顧客が望んでいるのは鉄道ではなく、単に輸送や移動であったのだ。

マーケティング・マイオピアは、事業ドメインに固執することなく、顧客のニーズを把握し、事業ドメインを定義し直すことで、市場に生き残っていける可能性があることを示唆している。

後藤健太

Life is Contents! 人生に一片の無駄はなし。すべての経験をビジネスのネタにするくらい逞しく生きて行きたい。

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