自律と自立の違いとは

  1. 社長ブログ
  2. 57141 view

【読了の目安 : 2 分】

自律とは排他力を発揮することである

外的要因に囲まれた環境で、それに影響されない自立した状態をつくるとは、つまり、排他力を発揮するということにほかならない。
つまり、自律とは市場で排他力を発揮し、あたかも自立したような状態を実現することだ。
それは必ずしもNo.1であるとか、卓越しているとか、そういうことではない。マーケティングやコピーライティングの世界では、商品やサービスになんでもNo.1とか日本一などをつければ売れる、というような「浅い」ノウハウがもてはやされていて、それに騙されて購入している消費者も数多くいるのが現実ではあるが、そういうことをしなくても選ばれる、あなたの商品やサービスしか選ばれなくすることは可能だ
たとえば、顧客が購買を決める前には、比較検討の段階がある。この時点で顧客は二者択一にまで絞り込みを行うが、ここまで来ればほぼ間違いなく選ばれる、ということが実現できれば自立状態をつくれるわけだ。
そのためには、大前提として商品やサービスが一級品であることが条件だ。No.1とか日本一とか、本物とか真のとか、あえてそう言わずに自立状態を実現するのだ。
それが自律のマーケティングだ。

自律か自立か

こんな話がある。よくある事例なので、共感する読者も多いことだろう。

会社が目標を掲げる際、「自立」か「自律」かで悩むケースが多いという。「自律」つまり社員が自分で自分を律するようになると管理しにくくなり、キャリアアップのために辞めるのを奨励しているように見える。そのため結局、「自律」ではなく「自立」に落ち着くそうだ。
そこには、社員を囲い込んでおかなければほんとうに優秀な社員が辞めてしまうのではないか、という会社側の腰の引けた姿勢が垣間見える。
それは、子に「自立しろ」といいながら自分の手元から手放したくない親と同じだ。本気で自立を促したら、兄弟の中でもしっかりとしたできの良い子のほうが、これ幸いと出て行ってしまい、出て行ってほしい子のほうは石にかじりついても親元から離れない。親はそれを恐れているので、「自立しろ」といっても迫力がないし、子はそうした親の本心を見抜いているのでいつまでも甘え放題、好き勝手にふるまう。(社員が「よく辞める」会社は成長する!

このような事例は、自律自立の概念上の違いを認識していたら回避できたはずだ。
先の例に習えば、自立は自律の結果でしかないのだから、企業が求めるべきは、結果としての自立ではなく、行動としての自律であることがわかる。これは自立を選択した上述の腰の引けた会社と180度正反対の結論である。
つまり、根本戦略の違いであり、これを間違えてしまった場合、致命傷となる極めて重大な意思決定である。

>次ページ 「自律は手段、自立は目的」

NEXT

1 2

3

4

困った時にはLINEで気軽に経営相談

サムライ社長こと「社長の御目付役」後藤健太の経営相談専用LINEビジネスアカウントを友だちに追加しよう。ご利用は無料です。1:1トークに対応しているのでいつもLINE感覚で気軽に相談できます。

後藤をLINEで友だちに追加
後藤健太

【サムライ社長】
斬法総合研究所所長/真剣武士道指南役
株式会社コンセプト・コア代表取締役/経営コンサルタント
会社の公式として書けないことをこちらの社長ブログに書いてます

記事一覧

関連記事

トレーニングしながらリハビリ

毎週月曜定例のパーソナルトレーニング。真剣斬法研究家としてプロ活動しているため、日々の稽古とトレーニングで鍛錬しながら調整し続けるということをしており、こうならと…

  • 92 view

潜在意識を語る似非専門家たちへ

潜在意識をどれくらい活用しているか世の中には色々な専門家がいるが、中には自称も多いわけで。先日、潜在意識の専門家を名乗っている人と話す機会があったが、まったく…

  • 331 view

Must,Can,Will~3つの輪で天命を知る

Must、Can、Willからなる3つの輪の話は有名だ。やるべきこと、できること、やりたいこと、この3つの重なり合いを見つけていこう、とう主張だ。ところが、いままでど…

  • 5011 view

謙虚さなしは成長なし

常に謙虚でありたい人生において大切にしていることの一つに「謙虚さ」がある。謙虚さとは素直さでもある。素直さとはいかなることに対しても耳を傾ける心である…

  • 1063 view

したたか者と浅はか者

競争力の源泉は仕組化できないところにある。これは真実だが、だからと言って仕組化を否定するものではない。仕組化できるものはしなければならない。いつの時代も、…

  • 141 view

コメント

  • コメント (1)

  • トラックバックは利用できません。

    • John Friend.
    • 2018年 5月 04日 11:51pm

    自立と自律は異次元のものではないだろうか。
    自立していても自律していない人もいれば、自立してないが自律している人もいる。
    自立は意思と行動で、自律は自己技術である。

  1. この記事へのトラックバックはありません。