BABジャパン社より発売されるDVD撮影を行いました

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7月3日(金)に来月8月にBABジャパン社より発売されるDVDの撮影を行いました。私が主宰している斬法総合研究所で研究錬磨している真剣斬法、及び、真剣武士道についての初めての公式な映像作品です。

朝9時からはじまり収録が終了したのはなんと21時半!12時間以上に及ぶ長丁場の撮影となりました。ディレクターのY氏はじめ撮影クルーの皆様には大変お世話になりました。ありがとうございます。

技法の撮影に関してはほぼ一発でOKでしたが、標準的な映像作品の1.5倍以上あったという台本のセリフを私が覚えきっておらず、セリフ撮りで何度もNGを出してしまい大変ご迷惑をお掛けしました。申し訳ありません。

当日は、朝4時から準備を始め、7時から車に荷物の積み込みを行い9時に現地入り。収録が21時半に終わりそれから後片付けや持ってきた荷物の運び込み、22時過ぎに現場を出発しましたが、撮影で使用した畳表の残渣を畑に運び込むなど、自宅へ備品類を運び込んだり、一段落ついたのは結局24時を回って午前様となりました。

妻が用意していてくれた夕食も、疲労困憊で食べる元気がなく、お風呂に入ってすぐに布団に倒れ込んで意識を失いました。

翌日朝起きてみると、疲労がほとんど抜けきっていないどころか、全身が痛み、とりわけ、腰から下の下半身がハードに筋トレしたあとのように筋肉痛で、まったく使い物になりませんでした。

それだけ根を詰めて全精力を振り絞って撮影に挑んだのだと思います。一歩間違えば大怪我につながる全編真剣を用いた撮影。思えば我が人生において、半日間連続的に真剣を握り続け、斬り続けた経験はありません。それを下半身の筋肉痛だけで無事やり遂げることができたことは、得難い貴重な経験となりました。

また、上半身、とりわけ両腕や両手に一切の筋肉疲労や痛みが出なかったことは、腕力や遠心力を否定する斬法の正しさの証明となりました。

発力は勁力であり重力を威力化する身体の使い方にあります。

さて、今回撮影したDVDはこちら、画像の縦長のものが、7月14日に発売される月間秘伝9月号に広告として掲載されます。

DVDの内容について

タイトルは、

「真剣に学ぶ」
心技を練る五つの技術
ー斬るからこそわかる刀の機能性と普遍の実学ー

です。

以下告知文面より引用〜

斬れれば何でも良いのではない
真剣とは、正しい心技を悟る術

斬るという刀法の本質を体系化した「真剣斬法(きほう)」。

その目的は、心剣、つまり心に剣を持ち「不正をしない正しさ」を備えることです。

これを主題に、小手先の技術や目先の結果に囚われない「正しく斬るための心と技」を「五つの技術観」を通して研鑽していきます。

現代だからこそ活きる武士道の実学的精神を学ぶ

コンテンツ(予定)

・武士道とは…文武二道と仁義
・真剣武士道…五つの徳目、他

一)不正をしない剣…【義】基本六法
二)動じない剣…【勇】真剣、他
三)妥協しない剣…【仁】一刀両断、他
四)油断しない剣…【礼】疾風、他
五)ブレない剣…【誠】寸勁零式

後藤健太 ごとう けんた
真剣斬法研究家。「斬る」という本質的な要素を、現代の刀法に補完すべく「真剣斬法」を創案。武士道の心技に興味を示す国内外の企業リーダーに刀法を指導し、好評を博す。千葉大学大学院自然科学研究科建築専攻修了(工学修士)。株式会社コンセプト・コア代表取締役。

〜引用終わり

こちらの告知欄は来月7月14日に発売されます月刊秘伝に掲載されます。

撮影裏話

ここからは、撮影裏話。実は、つい先日も試斬を含む撮影があったそうです。これを含め、今までの撮影経験を踏まえた、撮影クルーの皆さんから撮影中や撮影後に頂戴した、作品ではなく私に関する感想で印象に残ったものを、3つ紹介します。

まず、私が持参した撮影用の畳表がほとんど臭わず、水分量も少なく床の養生が必要無かったこと、次に、一人での撮影にも関わらず真剣への礼(刀礼)からきちんとスタートし最後まで集中力を切らさなさったこと、最後に、すべての技を撮り直しなくほぼ一発で決めていたこと、とのこと。

1つ目について、これは私がこだわっているポイントの一つであり、武士道の実践の一つでもありますが、撮影に使用した畳表は前夜に風呂場で一枚ずつ心を込めてタワシで汚れを落としシャワーでキレイに洗い流したものです。当日はこれを30本作って持参しました。撮影に必要なのは18本。持ち帰ってきたのは10本ですから絶対必要数18本に対し実際使用数は20本でした。ほとんど撮り直しがなかったことがこれで分かります。

試斬をやる方の多くは、畳表を数日から数週間長期間水に漬け込み、グズグズに柔らかくしたものを用いています。

こうすると今の時期は発酵を超えて腐敗します。ウジがわき、カビやキノコが生え、腐敗臭が酷いのです。漬け込んだ水はまるでエスプレッソのように濃く汚れた水となります。さらに腐敗が進むと水面に菌の膜が貼り水にトロミがつきます。

このような水に長時間漬け込まれた異臭を放つ汚物を神聖な刀で斬っているわけです。よく動画サイトへのコメント等で、「水に漬けた畳は簡単に斬れる」などと動画を揶揄する内容を見かけますが、そういう畳がこれです。

私はこのような無礼は御刀に対して失礼と思っていますので、まさに穢を落とし洗い清める意味も込めて、洗ってキレイにし、イ草のいい匂いがする畳表を一本一本丁寧に作っています。

漬け込んでおりませんのでとても硬くシャキッとしています。湿っている程度なので、臭い水が滴り落ちたり、斬った瞬間に汚染された液がほとばしることもありません。したがって床汚れ防止のための養生も不要なのです。

こういう畳表は、当然ながら長く漬け込んだ畳表よりはるかに斬るのが難しいです。

2つ目について、礼に始まり礼に終わるのが武道ですから、これも個人的には当たり前のことであり、そんなことをしている人は少ない、ということは逆に驚きました。気を抜いて一歩でも間違えると大怪我をするのが真剣です。真剣でなくとも、居合刀や木刀、杖であっても、帯刀脱刀する時や、持つ時には刀礼します。まさに、真剣勝負というのは真剣を扱う人間にしか分からないのだということを実感しました。

3つ目については、コロナ禍での撮影にも関わらず集中できる撮影環境を整えてくださった撮影クルーの皆様のお陰様です。また、この日のために丁寧に手入れしたり支度してきた刀や畳表、その日のために新調した試斬台など、事前準備の賜物であり、なにより、当日着用した道着の袖の丈をベストな長さに調整してくれた妻のお陰です。これら全てが一つとして私の不安材料とならず、全集中状態を維持継続させたのだと思います。

結論として、とても良い収録になったと思います。どんな作品に仕上がるのか今から待ち遠しいです。今できる全てを出し切って撮影しました。収録した内容については公にすることはできませんので、この貴重な経験で感じたことや思ったことを記憶が鮮明なうちに書き記しておきます。

最後に

試斬の技術面において自身が最高峰とは微塵も思っておりません。本来であれば、私のような若輩者が、試斬術を主題とした映像作品を残すことは分不相応なことだと自覚しています。

また、武術関係者以外にも響く普遍的な内容にするため、技術論よりも一般論に重きをおいた内容になっています。ここでいう技術とは武術稽古を仕事や日常に活かす術です。

試合で勝つためとか敵を倒すためとかではなく人生を豊かにする技術です。

【自分が変われば世界は変わる】

世界とは自分の世界の見方に完全に依存しているからです。他人が変わろうが変わるまいが、世界が変わることはありません。したがって、自分が変わる以外に世界が変わることはないのです。

私の武術探求とはまさにこの「奥義」を会得し伝承することにおいてのみ意味を持つ気がしています。

「自分を変える」「変え続ける」ただこの一点を突き詰めています。周りや他人がどうだというのは関係ありません。自分の正義を押し付けることも強要することもありません。正義とは、世間にではなく自分自身に向けられるべきものです。

このDVDが少しでもその「奥義」伝承の一助になりますことを願っています。

ところで、「真剣になる」という日本語は、真剣を振るだけでなくその特性を理解し斬る経験をもってはじめて身体化される(=文字通り、真剣になる、剣体一致するのだ)と思っています。

その経験の蓄積がやがて心に剣を備えることに繋がり、生き方や生き様に昇華するのでしょう。そうなると強く思い描くこと、強烈な目的意識を持つことで思考が現実化します。

I do not think that I am the highest peak in terms of technical aspects of Tameshigiri.

This DVD focuses on universal theory rather than technical theory in order to make it universal to other people than Budo.

The technology referred to here is a technique to utilize Bujutsu training for work and daily life.

It’s a technique that enriches life, not to win a match or to defeat an enemy.

“If you change yourself, the world will change”

The world is completely dependent on your view of the world.
Whether or not others change, the world does not change.
Therefore, the world cannot change except you.

I feel that my practice of Bushido only has meaning in gaining this “secret” and passing it on to future generations.

“Change yourself” “Continue to change” I’m just trying to find this one point.

It doesn’t matter what the people around you or others are.
You don’t impose or enforce your justice.

Justice should be directed to yourself, not to the world.
I hope this DVD helps a little with the “secret” tradition.

By the way, I think that the Japanese word “Shinken ni naru-be serious” can be embodied not only by shaking the Shinken, but also by understanding the functionality and features of the Shinken and experiencing tameshigiri with the Shinken. (Literally, get serious, become Shinken itself)

The accumulation of that experience will eventually lead to the provision of a sword in your heart, which will sublime your way of life and life.

Thinking so hard and having a strong sense of purpose make your thoughts a reality.

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後藤健太

【サムライ社長】
斬法総合研究所所長/真剣武士道指南役
株式会社コンセプト・コア代表取締役/経営コンサルタント
会社の公式として書けないことをこちらの社長ブログに書いてます

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