士業(専門家)の多くが食えない3つの理由

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ある朝、とあるFP(ファイナンシャル・プランナー)の方から相談があった。

「FP事務所や、保険代理店は、専門性が求められている割に、差別化が難しいと感じています。現状を突破するために、何か違う確度からのアプローチが必要と感じていますがそれがわからず悩んでいます。」

要約するなら、差別化ができず、その他大勢に埋もれてしまい食えない、どうしたらよいか?

という相談だった。

士業(専門家)の多くが食えない3つの理由

多くの士業や専門家が食えないのは、顧客から見た時に数多いる同業他社となにがどう違っていて、自分にとってどうベネフィットがあるのかわからないからだ。

つまり、ライバルに差別化し、顧客に特别化できていないのだ。

差別化・特别化できない要因には、大きく次の3つの理由がある。

  1. ライバルが多すぎる
  2. ライバルとの違いがわからない
  3. そもそも理解できない(難しい)

のだ。少なからず心あたりがあるはずだ。

ライバルが多すぎる

先日、【資格より自覚】という記事の中で、

”やたらと資格を取りたがる資格信望者が多いが、同じ資格をもつ人が大勢いれば、そもそもその資格は大した価値をもたないという事実に気づいているのだろうか?大切なのは、資格の有無ではなく、他にはないあなた独自の価値だ”

というようなことを書いた。

つまり、資格を取得したところで、市場に出た時、同じ資格をもった他のライバルと何をどこで【決定的に独自性を発揮】するのかがキーになってくるということだ。

ライバルとの違いがわからない

このあまりにも本質的なことに気づかなすぎではないだろうか。

つまり、あなたが教えていることや独自の【ノウハウ】だと勘違いしている、お金の知識、節税の知識、保険の知識などなどは、専門家であれば誰もが知っていることであり、あなた【オリジナル】のノウハウでもなんでもないということを。

ほとんどの場合、見せ方を変えているだけで本質的には変わらない、ということを。

しかも、その知識は高度化するほど専門化し、専門化するほど単独では役に立たなくなる。それを役に立つ知識にするためには、他の知識と組み合わせる必要がある。

それをすることなしに、単独で役に立たないその他大勢と同じ知識をサービス提供していても、引き合いが現れるとしたら、交通事故以外ありえない。

そもそも理解できない(難しい)

高度に専門化した知識は、専門家にしか通じない特殊な言語になる。つまり、一般人にはその意味すら理解できない。したがって、その必要性や重要性も分かるはずがない。

こんなシステム屋さんがいる。

OSSの一つであるLinuxをベースにした各種サーバ構築/開発、組込システム開発。CMSは、Geeklogをメインで使用。だが、NetCommonsなどほとんどのCMSに対応可能。

解読不能である!

試しに誰がお客様になりうるのかを聞いてみた。「ネットやPC初心者、自治体や行政」だそうだ。それはありえない。なぜなら、初心者にこれらの特殊言語が理解できるとは思えないからだ。

あいさつのページはさらに難解であった。

当社は創業以来、OSSの一つであるLinuxをベースにした組込みシステムの開発や各種サーバ構築を行っております。LinuxはWindowsより保守が大変と言われますが、当社では構築から保守まで一貫して支援し、お客様の負担軽減を図っております。お客様にとって、OSSを採用することで、初期導入コストの削減につながります。また、OSSを採用することで、様々なCPUや特殊な機器にも対応することができます。これは、OSSであるがため、ソースが公開されており、誰でも改変が可能だからです。当社では、様々なボードへLinuxへの実装、お客様のニーズに合わせた改造を行っております。当社はリナックスビジネスイニシアチブの設立にも参加し、他にも多くのコミュニティに参加しております。今後もOSSを使ったシステムをお客様のニーズに合わせてご提供致します。OSSを使ったサーバ構築やシステム開発以外に、クライアントパソコンをOSS化することに関しましても、対応致します。自治体・ 学校も含めて、ご相談に応じております。

この文章を読んで、一体誰が”気軽に”問い合わせできるのだろうか?書いてある内容を理解できるのは、同じ専門家しかいない。

これ以上の説明は必要ないだろう。理解できない(難しい)ことはこの世に存在しないも等しい。異文化異言語の地で、誰も翻訳・通訳することのできない広告をばらまくようなものだ。

仮に翻訳できるエキスパートがいたとして、彼が親切に翻訳してくれるとは限らない。なぜなら、彼はあなたのライバルだからだ。

高度専門家した知識は、一般人に分かるように、きわめて簡潔に、シンプルに、そして手短に伝えることを心がけるべきだ。

”決め手”は何か

かつてわたしと名刺交換したことのある人ならばご存知だと思うが、ある時期、わたしの名刺の裏にはこんなことが書いてあった

他にも似たような●●がある(いる)にも関わらず、何が「決め手」になってその商品やサービス(あなた)が選ばれるのか?

名刺交換をした瞬間にこの質問が目に飛び込んでくる。

「他の同業者と較べて、何がどう違いますか?」

驚くことに「あまり変わりません。一緒です。」と答える人が8割以上だ。これは異常だ。それで食えていればよいが、一般的には食えなくて当たり前だ。

もし今なんとなく食べれていたとしても、近い将来食べることができなくなるのは明白だ。

あなたを市場で卓越した存在にする方法

はずかしながら、当社は創業してからしばらくの間、その他多くのコンサルティング会社と同じ見られ方をしていた。食えない理由の2番「ライバルとの違いがわからない」のである。そのため、仕事の獲得に大変苦労していた。

サービス概要にはこう書いてあった。

経営コンサルタントは、企業の抱える課題解決業です。当社にはこれといったサービスはございません。というのも、経営課題というのは、各社それぞれで独特であり、ご状況に見合った適切なソリューションが必要だからです。十分なヒアリングをした上で、貴社のご状況に合わせたコンサルティング・メニューを組み合わせ解決策をご提案致します。

多くのコンサル会社がこのように自社の事業を定義しているはずだ。言ってることはもっともだ。実際に、ほとんどすべてのコンサルタントは、クライアントの抱える問題に対する解決策を提案する際に、個別でユニークな事情に合わせたいくつかの提案を用意する。

しかしながら、これではまったくもって仕事の依頼など来ない。提供価値がまったく不明瞭だからだ。

ウリをつくる

当社ではお客様に対して、常々アドバイスしていることがある。

”オーダーメイドは商品がないのと一緒”

だということだ。つまり、”決め手”がないということである。これでは、群雄割拠の士業や専門家の世界で選ばれるということは交通事故以外ありえない。

当社では、この状況を打開するために、時間と労力を要するコンサルティング業務の、戦略立案に関わるもっとも重要な初期分析業務だけを切り分け、低価格でサービス化した。それは、あなたは何者で何を為すべきかを明確にするあなた同時のレシピとなる。自分が何者で何を為すべきかが明らかになるとは、つまりミッションが明確化するということである。

(*ちなみに、余談であるがわたしの名刺の裏には一時期 “What is your mission?” と綴られており、3つの重なりあった円が描いてあったが、この記事を編集追記している2016年8月現在は表面の英文に変わっている。海外の案件も増えてきたからだ。)

ステップに分解する

さらに、相談業務と実施業務を切り分け、相談は無料に、実施を有料とすることで、気楽にご相談いただける相談窓口を開設した。これは、わたし自身が経営者として専門家に相談したい時に、どこも有料(しかも高額!)で気軽に相談できるところがなくて困った、という事情もあるが、なにより、わたし自身の独自性を支えている、2万件以上の相談実績は、こうして積み上げられたからに他ならない。

一日に15件前後、月間400件、年間4000件以上、5年間で2万件以上の経営相談は、コンサルティングファームでの雇われコンサルタント時代に、経営者専門の相談窓口を専任していたから可能になった。ここでわたしは、うまくいかない経営者の特徴や共通点、事例を毎日シャワーのように浴び続けることで、こうしたら失敗するという方程式を見つけ出した。

コンサルティング会社はとかく「成功事例」が大好きだ。口を開けば成功者はこうする、成功している会社はこういうことをやっている、だから真似しなさいと言う。

しかしながら、「失敗事例」をおそらく日本一聞いて来たわたしに言わせれば、成功事例ほど怪しく不確かなものはない。

それは多分に個人的な才能や時流、運や縁などの外的要因が絡み合い、ほとんど奇跡のような偶然が複合的に重なりあって生じたものが多いからだ。

失敗事例に学ぶ

一方、失敗事例というのは有用なものが多い。よく「失敗事例に学べ」「失敗は成功の種」というがその通りだと思う。世の中には、「失敗学会」なるNPO法人や人々の不満だけを集める「不満買取センター」なる株式会社もある。それだけ失敗は不満には改善のネタやアイデアが隠されているのだ。

失敗事例は、成功のためのヒントに他ならない。かつてエジソンはこう言った。

わたしは、今までに、一度も失敗をしたことがない。 電球が光らないという発見を、今まで二万回したのだ。

トーマス・エジソン

失敗ではなくうまくいかない方法を発見しただけで、それはつまり、成功なのだと。

そう考えると、失敗の原因を追求し、改善することはなにやら楽しいものに思えてくるはずだ。忘れないで欲しい。成功事例は失敗事例の先にある。成功事例に学ぶとは、それが成功するまでに失敗した事例に学ぶということである。

かかりつけの病院ではなく、行きつけの食堂に

多くのコンサルタントは、コンサルティング業のことを経営のドクターであると例えるが、当社ではそう考えない。行きつけの食堂でありたいと考えている。

赤字は会社の病気というコンサルタントには、失敗して病気にかかった会社が「先生、助けてください」と治療に訪れるが、当社には、健康的でエネルギッシュな会社が、「今度こういう事業に挑戦してみようと思ってるんだけどどう思う?」という相談が数多く寄せられる。

当社はその相談に対し、2万件以上の失敗事例データベースを参照し、それはこういう理由でうまくいかないからこうしたほうがいいとアドバイスすることができる。

もし、あなたがなんらかの事業をスタートしたいとお考えであれば、それが大成功しそうな予感がしていようがいまいが、一度ご相談いただけたら幸いだ。

なにしろ相談は無料、実施は有料だからリスクは限りなく小さく済む。失敗リスクが高過ぎるものに対しては待ったをかける。改善によって成功しそうなものであれば、希望によって改善案を提案させていただくことができる。

当社にアドバイザーを依頼するかしないかはその提案をもってご判断いただければ良いのだ。

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