説得でも納得でもなく期待と希望【定例稽古】斬総研剣術・居合稽古20190704

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【読了の目安 : 4 分】

梅雨らしい梅雨でスッキリしない天気が続く東京。6月より毎週木曜日の午後は新宿スポーツセンターで居合と剣術の稽古会を行っています。

昨年までは金山先生とよく稽古していた武道場。年末年始から3月まで空調工事のため閉館しておりましたので、実に半年ぶりの利用となりました。

リニューアルした武道場は温度と湿度が大体一定に保たれる設定になっているようで、空調のなかった時代に比べたら遥かに快適に利用できるようになりました。

とはいえ、利用者が勝手に設定を変えることはできないため毎回汗だくになって稽古しています。

さて、今日の参加者は2名。ご両名ともご高齢でいらっしゃいますが元気溌剌としておられ、気力や体力の衰えどころが益々エネルギッシュになられていることが実感されます。

お二方には週に一回の稽古ですが自主稽古用の日々の課題も適度に与えております。居合・剣術の稽古を通じて健康的な肉体を手に入れ、古の身体使いを呼び起こし、新しい身体観に気づくことで後期高齢者になろうとも新しい自分にと出会うきっかけとなります。

それが居合・剣術の稽古にハマる理由にもなっているのだと思います。

少し話を脱線しますが、逆に言うと新しい自分と出会えないような稽古では人は続かないということです。

生徒数が増えない、あるいは入ってもすぐにやめてしまうという場合、生徒の皆さんが新しい自分と出会うきっかけを奪っていないか心に手を当てて振り返ってみるといいかもしれません。

新しい自分に出会うきっかけを奪うとは、具体的に言えば「価値観の押し付け」に他ならないのですが、どこからが押し付けになるかは実はとても微妙です。

価値観は明確に表すべきで、価値観に沿わない人は本来入門してはならない人です。価値観に合うと思って入門してもいつからか、大抵の場合、その業界の事に精通してきたり知識や技量が身についてきたりして少しだけ生意気になってきた頃から、なんとなく違和感を感じはじめるものです。

先生の言うことに納得感が薄れ、質問しても変化球で返されたり、無理やり説得され仕方なく納得したフリをしてというように、なんだかもやもやする日々が続き鬱憤が貯まる一方です。

行くとストレスが解消できていた武術稽古もやがてストレスが溜まる場となってしまい自然と道場から足が遠のきます。

「これはなぜこうなっているのですか?」

「そのように伝わってきている、そのように教わってきているからこうなのだ」

というようないかにも初学者の興味を削ぐようなやり取りが多くの道場で見られます。

伝承は勝手に改竄してはなりませんが、どんなに神経質に伝承しようが人が伝聞するものは、その人によってごく自然に勝手に解釈され意図せず改竄が加えられ形を変えて伝承されてしまうものです。

今のように先生の一言一句が映像コンテンツとして記録することができない次代にあってこれは致し方ありません。

こういう風に伝えられているし教わってきているけど、自分はこう思う。あるいはこう思っていたけれど何年かするとなぜそのように伝えられているのか、教わったのかがわかった、というならまだわかります。

そうではなく、疑問をもつなんて生意気だ。黙って言われたとおり練習しろではやる気も興味もなくなって当然です。

自分も最初の頃あなたとおなじように思ったんだけど言われたとおりやり続けたらやがてその意味がわかって今ではこうですよ、とその後の姿が堂々と見せられれば良いですね。それは「新しい自分」かもしれません。

しかし、そのような「新しい自分」を見せられる指導者は多くないようです。

「新しい自分」というのは結局、理論と実践に裏付けられた結果です。

理屈ばかりの「説得」「納得」ではなく、この人についていけばやがてこうなれる!という「期待」「希望」です。

幸いにもいかなる流儀や流派、団体や協会等にも所属せず、伝承すべき教えや技を持たずにフリーに活動できていますから、そんな私が伝承できるものといえば、自らの学びや試行錯誤の結果と実践経験でしかないわけです。

つまりは、私のやることできることがすべて。それ以上でもそれ以下でもありません。

したがって、わたしはシンプルに自問自答しながら自分の理想とする剣の頂を目指し、その実践を背中を通じてお伝えしていくのみです。

居合・剣術・真剣試し斬り!流派・経験・国籍不問。場所を選ばず自宅で学ぶ武術稽古

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