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おもてなし、サービス、ホスピタリティを巡る論争に終止符を打ちたいと思い気合を入れて執筆した記事、
”おもてなしとはなにか〜おもてなし、ホスピタリティ、サービスの違い論争に終止符を打つ”
が、お陰様で大変好評だ。
大変な大作になってしまったのだが、まだ説明が足りない、もう少し補足したいという部分について、今日は言及したい。
振り返り
先の記事は、おもてなしを最上層として、次にホスピタリティ、最下層にサービスとする、よく見られがちな序列について、真っ向から異を唱えた。
おもてなしとは、ホスピタリティやサービスを含めた全体的な概念で、ホスピタリティはあり方を、サービスはやり方を定める、ということであった。
また、ホスピタリティが意思や目的をもった行い(=行為)であるとき、サービスはそれをするときの身体の動き(=動作)であり、おもてなしはそれらを包括して行動そのものであるとした。
つまり、序列をつけるものではなく並列的・総合的に理解し使い分けるべき概念である。
そもそもサービスとは
一般的に語られているサービスとは、無料、おまけ、奉仕、親切、特别、丁寧、スピーディ、安全、安心、便利、快適など多岐にわたる。サービス業といえば、飲食店や美容室、エステ・マッサージ、ホテル、アパレル、物販店などがイメージされる。このようにサービスと言う表現が、便宜的に多用されている実情がうかがい知れる。
サービスの語源はラテン語のservus(サーヴァス)であることはよく知られている。これは奴隷であり絶対服従を意味する。これが英語のservant(サーヴァント)となり下僕、召使、執事、家来、下女、従者、公僕、役人、公務員など一切「Yes」の滅私奉公を意味するようになった。ここまでは完全に受け身であるが、ここからやや能動的に変化していって、Serve(サーブ)使える、奉公する、お給仕する、勤務する、供給する、役に立つや、Server(サーバー)仕える人、勤務者、奉仕者、給仕人、役に立つ行い、気の利いた行い、前向きなどに変化していく。
いよいよService(サービス)になると、より積極的に、前向きに、率先して、言われる前に、行われるようになっていく。
また、サービスとは、提供側と受け手の要求水準によって評価にばらつきが生じる。
たとえば、購入したばかりの新車が故障した時、ただちに修理して喜ばれるのは発展途上国だけである。先進国では購入した直後に故障するという製品品質に対し不満が爆発する。いかに素早く修理対応を行おうが取り繕いようがない。むしろ修理にかかった日数分の損害賠償を求められないかねない。
このように発展途上国と先進国というだけでもサービスの水準や定義が異なるので、サービスとはかくも広範な意味で多様されるわけだ。
サービスの7ポイント
サービスの語源をたどってきて分かるように、提供側と受け手が共に水準が上がってくると、サービスはより積極的で能動的なものになっていく。
要求水準の高い顧客が提供者に求めるのは、「情報力」「企画力」「提案力」であり、御用聞きは嫌われる傾向が増えてくる。
こうしたサービスを提供するための7つのポイントがある。
- 3S(スリーエス)・・・笑顔・スピード・誠意(Smile、Speed、Sincerity)
- 活気(Energy)・・・明るさ、楽しさ、温もり
- 革新(Revolutionary)・・・マンネリでない、新鮮である
- 価値(Valuable)・・・提供者と受け手が対等の関係。プロ。
- 印象的(Impressive)・・・らしく、あたらしく、すばらしく
- 相互関係(Communication)・・・提供者が受け手に感動をもたらし、受け手が提供者に感動をもたらす
- もてなし(Entertain)・・・気配り、目配り、心配り
以上、7ポイントの頭文字をとってSERVICEと覚えておくと便利だ。
チェックリストとして自社・自店舗・自分のサービスを見なおしてみよう。