競争力の源泉

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【読了の目安 : 2 分】

差別化とか独自性とか、そういうのを意識しすぎて、誰にも相手にされない孤独な領域に足を踏み込み入れてしまう人がいる。

戦わないと言う時、相手がいなければ当然戦うことはないが、奪い合うお客様もいないことがある。

こう言うと、

「奪い合うのではなく選ばれるのだ」

と綺麗事をのたまう人がいるが、そんなことは戦場に足に踏みいれ生き残った経験がない人が言うものではない。

もちろん無用な戦いは避けるが得策というのは大原則だが、もし自分のほうが幸せにできるお客様が他の誰かに奪われてしまっているのだとしたら、そのお客様のために断固として戦って勝たねばならない。

差別化や独自性を追求してたどり着いたその境地は、独善的で自分勝手で独りよがりで、ただ単にお客様にもライバルにも相手にすらされていない状況かもしれない。

勘違いしてはならない。ブルーオーシャンはライバルやお客様がいない市場を言うのではない。どちらも存在する市場の中に形成するものである。

戦わないというときにはさらに2つの状況が考えられる。

ひとつは戦いに巻き込まれているにも関わらず、自分だけ戦っているつもりがない状況だ。

相手からはこちらが丸見えで完璧なるマウントポジションをとられているが、こちらからはなにも見えない、認識できていないという、はじめから負けている最悪なパターンだ。

他にも同じような商品やサービスを提供している人がいるがそれとどう違うのか、優位性はどこか、選ぶべき理由は何かと尋ねれば、そこには何もないか、あってもほとんどのライバルが保有していたりしているのだ。

知らないのは自分だけ。まさに裸の王様とはこのことを言う。

そしてもうひとつは、圧倒的な強さで相手の戦意を奪い、他を寄せつけない絶地領域を形成している状況だ。

相手は戦う気がないのだから戦いは起きない。

このように「戦わない」というときには、

1. 相手にもされない
2. すでに負けている
3. 相手の戦意を奪う

という大きく3つの状況がある。

当然3番目の相手の戦意を奪う状況がもっとも好ましい。

あえて戦わないが戦ったら絶対に勝つ状況だ。

戦わない方法を助言するコンサルタントがいたとき、彼らの意味する戦わない状況とはどういう状況が、きちんと見定めてみよう。

経験上、彼らが主張するのは1か2のパターンである場合がほとんどだ。

なぜなら彼らは戦ったことがないか、戦って勝ったことがないからだ。

戦って負けるのが嫌だから単に逃げているのである。

逃げるが勝ちの(あえて相手にしない)場合はあるが、戦わないとは逃げることではない。

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後藤健太

【サムライ社長】
斬法総合研究所所長/真剣武士道指南役
株式会社コンセプト・コア代表取締役/経営コンサルタント
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