情熱はつくれるか〜情熱がもてなくて悩むあなたへ3つのアドバイス

  1. 問題解決
  2. 1364 view

【読了の目安 : 8 分】

自己認識と存在意義

エグゼクティブ専門トレーナー、経営コンサルタントでプロデューサーの後藤健太です。

僕の仕事は一般的には経営コンサルティングでありビジネスプロデュースですが、もっと狭義的に言えば経営者指導です。経営指導ではなく経営者指導。もちろん経営指導は経営者指導に含まれるのですが。

結果は行動からしか生まれません。

コンサルタントやプロデューサーは行動の主体者にはなりえません。

したがって結果を出すためには、行動の主体者に行動を促し行動してもらう必要があります。行動促進をしなければならない。

当たり前のことですが、意外と気づいていない人も多いんですよ。

ここを明確にするために僕は最近コンサルタントでもプロデューサーでもなく、トレーナーを名乗っています。経営者専門の。

リーダー(指導者)ではなくインストラクター(指導員)ですね。ビジョンや戦略を示すだけでなく、結果を出すために行動促進する存在としての。

余談のようですが、自分はどうあるべきかという自己認識(セルフイメージ)、自分や世の中にどのように貢献するよう定義する存在意義(レゾンデートル)、というのはとても重要で、間違えるといつまでたっても成果がでないので注意しましょう。

望ましい成果を手に入れるためには正しい自己認識存在意義は不可欠です。存在意義(レゾンデートル)には市場にどう自分を位置づけ価値を創出するかというポジショニングも含まれます。

それは自分のステージに応じてどんどん変化していくものなので、どんどん再定義され書き換えられますが、その度に深く強固に、段々と世の中に必要不可欠(エッセンシャル)なものになっていきます。

己がどうあるべきかがわかれば何をすべきかは自ずと明確になります。

さて、今日は経営者指導していてしばしば話題にのぼることのある「情熱」について書いてみましょう。

仕事に対する情熱またはやる気がない社員、従業員が増えている?

経営者指導していてしばしば話題になるこのテーマ。やる気と混同されがちですが、情熱やる気は違います。

あなたの会社の社員または従業員の情熱を上げたいのですか?やる気を上げたいのですか?

情熱ではなくやる気を上げさえすれば問題は解決するのですか?

情熱は個人の価値観や趣味嗜好に大いに左右されますが、やる気はある程度テクニックで上げたり下げたりすることができます。

情熱とやる気の違いとは?

やる気はモチベーションで情熱はパッションです。モチベーションパッションの違いを考えればやる気と情熱の違いは明確になるでしょう。

Wikipediaによれば、

情熱(じょうねつ)は、激しく高まった気持ち。感情が熱している(熱されている)心理状態。北村透谷によるpassionの和訳とされる

とありますから、情熱とはパッションを説明するために作られた造語なのですね。

また、やる気とは「動機づけ」のことで、「動機づけ」とは何らかの行動促進ですから、それには生命を維持し、種を保存させるための生得的な動機、飢え、睡眠、排泄、身体的損傷回復などの生理的動機づけや、好奇心や興味関心によってもたらされ賞罰に依存しない内発的動機づけ、義務、賞罰、強制などによってもたらされる外発的動機づけがあります。

内発的動機づけに基づいた行動は行動そのものが目的となりますが、外発的動機づけに基づいた行動は何らかの目的を達成するためのものです。強制された外発的動機づけがもっとも自発性、自主性、自立性の低い動機づけになりますが、自己の価値観や人生の目標と合致し、自発性、自主性、自立性が高まった外発的動機づけはほとんと内発的動機づけとイコールになります。

つまり、やる気はモチベーション(動機づけ)ですから、モチベーションの上げ方については実にたくさんの方法論がありますので、興味のある方は自分で検索して調べたり、書籍をお買い求めください。

情熱とやる気の見分け方

ところが、情熱ややる気の出し方についてアドバイスしている記事を読んでみても、ほとんどここを明確に定義せずに書いているものばかりです。たとえば「情熱を引き出すためには明確な目的意識を」とか書いてあったりするのですが、明確な目的意識によって引き出されるのは情熱ではなくやる気ですね。先に述べた外発的動機づけです。

情熱ややる気と言って同格、同意義に扱っているものものもあります。

情熱はどちらかというと内発的動機づけに近いもので、一言で言ってしまえば「好き」という感情です。「好き」という感情に理屈はありません。「好きなものは好き」なのです。

さて、理屈で説明できない「好き」をどうやって引き出すことができるでしょうか。

「好き」という感情は引き出すというより気づくことに近いかもしれません。「好き」かどうかを調べるには以下のことを自問自答してみましょう。

あなたはそれを「しなければならない」と思っているか、心から「したい」と思っているでしょうか

あなたがもしそれを「しなければならない」と義務的に捉えているのであれば、それは単なる外発的動機づけによるもので、やる気は出せても情熱を持つことはできません。

あなたがもしそれを「したい」と心から望んでいるのであれば、それは情熱を傾ける対象になりうるでしょう。

情熱の源泉は好奇心?

好奇心は興味関心のことであり、情熱をもつ、つまり、好きになる「きっかけ」にはなるかもしれませんが、情熱とはイコールではありません。

もちろん興味関心を持つという時点で、好きになる要素は多分に含んでいることに間違いはないはずですが、それは隣近所、競合する何かを含めたその分野を知るための入口であり、それをきっかけに知り合った近隣を好きになることはよくある話です。

情熱が好奇心であるならば、何かに情熱をもつためには、それに対する興味関心を持ちましょうと呼びかけさえすれば、それに情熱をもつことができるようになるでしょうか。

コミュニケーションのテクニカルな話をすれば、人に興味関心を持つことでその人のことが嫌いでなくなり、場合によっては好きになってコミュニケーションがより円滑になる、というのがあります。

たしかに、興味関心をもつための方法論はいくつかあるので、それらを駆使して人に興味関心をもつ練習をしてみれば、嫌いな人が嫌いでなくなり、少しは好きになることもありましょう。しかしながら、もともと嫌いな人を愛する程(思慮分別がつかないほど)猛烈に好きになる、ということはなかなか考えにくいです。

先の段で、情熱は内発的動機づけに近いと言ったのは、内発的動機づけは、好奇心や興味関心によって経験的(ア・ポステリオリ)にもたらされますが、情熱は好奇心や興味関心とは無関係に、直感的・本質的(ア・プリオリ)にもたらされる感情だからです。

好きだから好奇心や興味関心を持つのであり、好奇心や興味関心を持つから好きになるのではないのです。

情熱に理由を求めるのはナンセンス

人は好きなものに情熱を傾けます。情熱とは好きという感情というのはこれまで述べたとおりです。

ところで、〜だから好き、という条件付き、理由付きの好きは本質的には好きではないのかもしれません。

例えば、あの人は顔がいいから好き、頭がいいから好き、お金持ちだから好き、誠実だから、優しいから、面白いから、etc…

ということは、それに情熱を傾ける理由、それが「好き」な理由を考えること自体、本来無意味なことかもしれません。

好きなものは好き、そこに理由はないのです。したがって、「なぜそれが好きなの?」という質問はナンセンスであるばかりか野暮ってものです。しかしながら、なかなか人はその理由を問わずにはいられないものです。

情熱はつくれるのか

情熱はつくることができる、と主張する人がいます。否定はしません。考え方次第で情熱的な状態はいくらでもつくることができるのを知っているからです。

情熱的な状態とは、積極的主体的な状態のことです。

「しなければならない」という義務感はなく、率先垂範して「したい」状態になっています。

情熱的である人は、思考習慣自体が、意識そのものが積極的主体的で、率先垂範、当事者意識にあふれています。

判断の基準が常に「自分」にあり、「自分が」やる、「自分は」こうする、と常に一人称です。

さて、情熱的な状態をつくることができることはわかりました。では、情熱はつくることができるのでしょうか。

はい。つくることができます。

情熱は情熱を傾ける対象があってはじめて生まれる(つくられる)ものです。したがって、情熱を傾けられる対象を見つけさえすれば情熱をつくることはできるのです。

対象とは全体かもしれないし部分かもしれません。必ずしも目に見えるものではないかもしれません。背景にあるストーリーであったり、その先にあるビジョンであったり、思いや理念であったり、醸しだされる雰囲気や空気感かもしれません。

仕事に情熱が持てない、という場合には、情熱を持てる仕事を見つけるか、仕事の中に情熱を傾けられる何かを見出さねばなりません。

情熱を好きと言い換えれば、好きな仕事を見つけることであり、仕事のなかに好きな仕事を見出すことです。

好きな人ができた。大いに結構。好きになった理由は問いません。

あの人を好きになりたい。その人の中に好きなところを見出しましょう。

情熱がもてないと悩むあなたへの3つのアドバイス

ここまで情熱をテーマに様々に考察してきました。ここまでのことを3つのポイントに集約してみましょう。

  1. 情熱とやる気を見極める
  2. 情熱に理由をもとめない
  3. 情熱は作ることができる

1.情熱とやる気を見極める

情熱とやる気は違います。

情熱はパッションであり、やる気はモチベーションです。

パッションは内から湧き出てきて、モチベーションは外の影響を受け上がったり下がったりします。

したいと思うならば情熱、しなければならないと思うならばやる気です。

2.情熱に理由をもとめない

情熱とは好きという感情です。好きに理由はありません。

好きなものは好きなのです。

もし、それが好きな裏付けとして何か理由があったり条件がある場合には、それは本当に好きなもの、情熱を傾けられるものではないかもしれません。

3.情熱は作ることができる

情熱は情熱を傾ける対象を見つけることができれば作ることができます。

自分が何に対して情熱を傾けられるのかは、自己認識と存在意義を明確にすることで見つけやすくなります。

また、情熱を傾けられる対象は、情熱的な状態を維持することによっても見つけやすくなります。

情熱的な状態は一人称で物事を捉え、積極的、主体的になり率先垂範、当事者意識をもつことでいつでも実現できます。

後藤健太

Life is Contents! 人生に一片の無駄はなし。すべての経験をビジネスのネタにするくらい逞しく生きて行きたい。

記事一覧

関連記事

ポジティブとは楽観的ではなく積極的

ポジティブ≠楽観的ネガティブであることは悪くない、むしろポジティブ過ぎるのは良くない、という主旨の発言をする人というのは、大抵言葉の解釈を間違っていることが多い。…

  • 98 view

理想顧客が増えない3つの理由

自社や、自店舗のお客様が当初想定していた属性とどうやら異なると感じる、あるいは、「うちの店にはいいお客様が少ない」とぼやいているダメな経営者をよく見かける。また、…

  • 68 view

コンサル不要論【概論】

経営コンサルタントから経営戦略家へ最近、名刺の表記を経営コンサルタントから経営戦略家に変更した。コンサルタントという「あり方」に違和感を感じ始めたからだ。そもそも自分…

  • 70 view

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。