ミッション・ビジョン・バリューとは

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経営理念とは

経営理念というと、ミッション・ビジョン・バリューという3つを指す場合が多い。

それらは、社是や社訓、行動規範などと言われたり、単に経営理念と一言で表現する場合がある。

何が良くて何が悪いという話ではなく、経営理念の重要さとは、打ち立てた理念にもとづき、組織が共通の目的を共有し、従業員一人ひとりがその理念の意味を理解し行動できることだ。

したがって、理念をつくることよりも、その理念を如何に浸透させ実践するかが重要だ。

ミッション・ビジョン・バリューとは

根本目的を抑えた上で、もっともオーソドックスと思われるミッション・ビジョン・バリューの意味についてまとめてみよう。

まずは、ミッション・ビジョン・バリューのオーソドックスな定義はこうだ。

  • ミッション・・・組織が果たすべき使命・役割。目的、事業領域、経営方針、経営戦略など。
  • ビジョン・・・組織が目指す将来のある時点での状態、あるべき姿。
  • バリュー・・・組織が共有する価値観。従業員の判断基準となる行動指針や行動規範。

どうだろうか。筆者はまだしっくりとこない。

世間(社会)の視点が欠落している

しっくりこない原因を追求してみると、あることに気がついた。上述のミッション・ビジョン・バリューの主語はすべて組織であって、世間(社会)からの視点がない。特にバリューは共通の価値観というのはわかるが、行動指針や行動規範とするには幾分強引な気がしてならない。それに、どう行動するかは組織の都合であって、世間には関係がない。ミッションとビジョンは会社が主語で、バリューは顧客が主語などと説明する経営コンサルタントもいたりするが、これは間違いであろう。

ミッションが社会における会社の存在意義を、ビジョンが社会における会社の理想状態を、バリューがそのために大切にしている共通の価値観を明文化しているであれば、それは、組織視点からの意思(will)と世間視点からの果たさなければならない責任(must)で分けられるべきではないか。

それぞれ内と外との関係性の中で整理しなおしてみると以下のようになる。

  • ミッション・・・果たしたいこと(will)、果たさなければならないこと(must)
  • ビジョン・・・ありたい姿(will)、あらねばならない姿(must)
  • バリュー・・・大切にしたいこと(will)、大切にしなければならないこと(must)

どうだろうか。ようやくしっくりと来た気がする。

さらに、それぞれの意味を深堀りしてみる。

  • ミッション・・・とるべき行動、果たすべき役割、なすべき貢献、存在理由、共通目的、共通立場
  • ビジョン・・・あるべき姿、実現すべき世界(社会)、夢、ゴール、目標
  • バリュー・・・行動指針、行動規範、基礎習慣(思考習慣・行動習慣・生活習慣)、信条、信念、文化、風土、価値観

ここまでくると大分すっきりと理解できるようになったのではないだろうか。

(*注記)ミッションとビジョンには、厳密に言うと意思(will)責任(must)に加えて、能力(can)が考慮されるべきで、意思、責任、能力3つの領域の重なる部分が義務(shall)になるのだが、ここでは説明の簡単のため割愛している。

抽象的・具体的・倫理的

思いや理想、主義主張を表すミッションは抽象的で、ミッションを実現するための状態ゴールを設定するビジョンは具体的であると言われる。これに加えて真偽や善悪、好き嫌いに適不適を判断し、正しい行動を促すバリューは倫理的であろう。

こうして見ればわかるように、ミッション(抽象)、ビジョン(具体)、バリュー(倫理)は三位一体なのであり、どれか1つが欠けても、1つずつバラバラでも成り立たない。

倫理法人会のモーニングセミナーなどで講演を頼まれたことがあるが、誤解を恐れずに意見すれば、企業に倫理は欠かせないがそればかりでは不十分であるし、偏りが出てしまう。

理念・理想・倫理(3R)

ネット検索してみればわかるように、ミッション・ビジョン・バリューについてはじつに多くの知識人が解説を試みている。しかしながら、そのどれもが、筆者も含めて十分に説明しきれていないと思う。それだけに難解な概念だと言える。ミッション・ビジョン・バリューを難解な概念にしている理由の一つに、日本語で端的に説明しにくい、というのがある。また、日本語による端的な定義はほとんど試みられていない。

そこで、ここでは難解なミッション・ビジョン・バリューの日本語による端的な理解を試みた。それが、理念・理想・倫理である。記憶しやすさ、理解しやすさの目的で頭文字をとって3Rとでも名付けておこう。

偶然にもすべてに理(ことわり)が入っている。

理念は理を念じ、理想は理を想う。そして倫理は理を整える。

理念は存在理由であり、理想はあるべき姿だ。そして倫理は筋道であり道理である。

したがって、ミッション・ビジョン・バリューとは、組織にとっての果たすべき役割であり、目指すべき姿であり、その実現のために守るべきルールである。

後藤健太

Life is Contents! 人生に一片の無駄はなし。すべての経験をビジネスのネタにするくらい逞しく生きて行きたい。

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