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電話営業撃退実況中継
非通知なので「セールス」と目星をつけて受話器をとる。
「顧客紹介」という切り口から営業代行のセールスと見極めて話を聞く。
関心は、”どこで費用が発生する”のか。
大手の名前をずらずらと上げ、そういった大手をクライアントとして紹介できると惹きつけておいてからの、ビジネスマッチングイベントのお誘い。
あぁ、参加費用で取るんだなとあたりをつける。
椿山荘で丸2日泊まりこみでの商談会。1社2名参加、全24商談で295万円(税抜)。約320万円。
予想通りの展開なので、
「そうでしょう。不要です。」
とお断り。
当然そこから反論処理に入ってくるので、そこも聞いておく。
反論処理への対処法
事前のやりとりでうちの会社は、完全にインバウンドで受注しており、アウトバウンドは一切やらない旨伝えてあったので、
「これからの時代、何が起こるか予測できない中で、今までの方法で同じように案件が受注できるわけではありませんよね。」
という割と定番のパターン。
「え?あなたはこれから何が起こるか予測できないんですか?
まぁ未来予測の方法をご存じないのでしょうから仕方ないですけど、それ以前にどうやらあなたは”戦略”とは何かをまったく理解出来ていないようですね。
戦略がなにかわからない人は当然未来も予測できないんですよ。逆に戦略を理解している人はある程度未来予測ができている証拠でもあるんです。
インバウンドで受注するかアウトバウンドで受注するかは、単に姿勢にしか過ぎないからこれは戦略でしょう。
あなたが言う今までの方法で同じように、というのは、”戦術”の話です。つまり、どのようにインバウンドで受注するか、どのようにアウトバウンドで受注するか、その”どのように”の部分の話でしかない。
さて、あなたが今300万円で一生懸命売り込もうとしている、何が起こるかわからない時代に有効だと思い込んでいるその施策は、”戦略”でしょうか”戦術”でしょうか?
当然”戦術”ですね。
あなたは、なにが起こるかわからない、とおっしゃいました。にも関わらず、自分が売り込もうとしている施策が有効だと盲目的に信じています。
なにが起こるかわからない時代に、自分の施策が有効だと証明することはできますか?できませんよね?
戦術は戦略に従いますから、インバウンド戦術を選択している我が社にアウトバウント戦術を一生懸命売り込もうとしても”不要”かつ”無意味”であることが理解できましたでしょか。
あなたがもし”戦略”と”戦術”の区別がついたならば、事前に自分が売り込もうとしている商品の性質を見定め、どんな”戦略”をもった企業に有効な提案であるか見ぬくことができます。
これができたならば、あなたは少なくとも今の倍の受注を獲得することができるでしょう。」
相手の戦略を見ぬかぬまま戦術を押し売りすることは、まったく無効。どんな反論処理でも覆すことはできないので時間の無駄となる。
反論処理へ対処する場合は、自分と相手の戦略を明確にしておくと慌てることなく対処可能だ。
電話営業のコツ
電話営業の命、それは「リスト」にほかならない。
電話営業が効果的、というのは単に戦術の話にしか過ぎない。戦略家が電話営業という戦術を採用した場合、まずやるのはリストの精査だ。
戦略家は、CV率100%から逆算して考える。つまり、電話かけたら100%受注する、という理想的なゴールから逆算するわけだ。
戦略を知らない戦術バカが営業電話という戦術を採用した場合、営業電話の一般的なCV率から逆算して、必要CV数に対して、どれだけのターゲット母数が必要かを考え、いたずらに荷電数を増やす羽目になる。
前者は、CV率100%を目指しているのであらかじめ荷電先を効率的に振り分ける。今回の営業電話の場合なら、売り込もうとする施策はアウトバウンド戦術なのだから、まず対象企業の基本姿勢がインバウンドなのかアウトバウンドなのか見極めねばならない。戦略家ならインバウンドの企業は排除し、アウトバウンドの企業に限定する。
こうしてリストの精査を重ね、厳選したリストに満を持してアプローチする。
やってみればわかるが、こうしてリストを厳選するとこんなことが起きる。
「なんでうちの課題がわかったの?そうそう、それが必要なんだよ。是非おたくにお願いするよ。」
戦術は戦略的に使え
営業電話に限らず、チラシや広告、ポスティングなどあらゆる営業推進策は、戦略的に扱わねばならない。
よく、ポスティングは効果がない、新聞折込広告は効果ない、とぼやく経営者がいるが、ポスティングや新聞折込広告という手法が効果がないわけではない。単に、あなたが効果がない紙媒体をつくったにすぎない。
もし戦略家がポスティングや新聞折込広告という手法を採用した場合、爆発的に効果を生むポスティングチラシや新聞折込チラシは何か?という、ポスティングチラシや新聞折込広告の「あり方」の定義から入る。
それが100%でなくとも、まず一定の定義(仮説)を立てた上で、PDCAを高速回転させ、問題解決を積み重ね手法の100%を目指してブラッシュアップを行う。
手法は得たい結果から逆算して設計せよ
単に集客をしたい、という場合でも、新規顧客を増やしたいのかリピーター客を増やしたいのかでも戦術は異なる。
一見さんを増やしたいのか、常連さんを増やしたいのかでも異なる。それぞれ戦略に応じて戦術は適切に選択されねばならない。
飲食店や美容室、歯科医院や整体マッサージ、エステ、小売店などの店舗ビジネスで常連客を増やしたい場合、常連客を増やすために効果的な戦術を考えねばならない。
下記はそういった課題を持つ店舗ビジネス向けに当社が企画開発したゼロテンという紙媒体だ。
これは常連客を増やす、という目的(戦略、コンセプト)から逆算して作られているので、導入先店舗では今のところ面白いように効果を上げている。
毎月先着10社限定でお得な割引キャンペーンを適用している。手前味噌ではあるが、あなたがもし何らかの紙媒体を検討しているのであればおすすめの戦術だ。
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