スタッフ部門の部長がライン部門に対して売上を上げるのがあなた達の仕事、と言い放ったことに対し、それは違うとたしなめたという主旨の記事を書いていて思い出したこと。
昔所属した組織で、ライン部門からスタッフ部門に移った際、当時の社長に「誰がスタッフ部門の給料を稼いでいるのか」と問われたことがあります。
期待する答えは当然「ライン部門」であり、そのため、スタッフ部門はライン部門に感謝せよ、という落ちにつなげたかったのでしょう。
しかしそんな社長の淡い期待を水の泡に変えたわたしの回答はこうでした。
「売上を上げたり給料を稼いだりするのは部門関係なく全員の仕事です。そこには直接的に売上に関わるのか、間接的に関わるのかの違いしかありません。
付け足すなら業務上の役割分担、組織上の機能的分類があるだけです。
したがって、人事、経理、総務などのスタッフ部門を間接部門と呼ぶのであり、購買、製造、営業などのライン部門を直接部門と呼ぶのではないでしょうか。
どんな部門に所属しようが、どのように売上に関わっているのか把握すること、それは便宜上の役割分担に過ぎないこと、同じシステムの一部同士が協力せず非難しあうのはナンセンスであること、それは便宜上の社長においても代表取締役という役割に過ぎないこと、全体としての目的は共通であること、こんなことは全員経営が出来ている会社では割と普通のことです。」
もっと経営意識をもて、全員経営をしろ、と声高々言っていますが、それを妨げているのは社長自身のそういう考え方に他ならないということを言いたかったわけです。
社員に対してもっと経営意識をもって欲しい、全員経営をしてもらいたいと思っている経営者の方は、自分自身に飢えのような固定観念がないかどうか一度確かめてみてください。
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