知的生産性向上〜1年を1年半にする方法

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【読了の目安 : 5 分】

仲間とともに立ち上げた橋本朝活(ハシカツ)のスピーカーをしました。担当のテーマは「知的生産性の向上について」

今回は知的生産性を高める前に、知的生産量そのものを増すアイデア、つまり、アウトプット増大のアイデアについてお話しました。

知的生産性とは

知的生産性とは、仕入れた情報を加工して価値ある情報にアウトプットする効率を言います。言い換えれば、知的生産物を生みだす効率です。

そのステップは、

  1. 収集
  2. 整理
  3. 分析
  4. 加工
  5. 発信

という情報活用の5段階で表されます。

情報活用というと、インプットばかりに意識が行きがちですが、労働生産性にしても知的生産性にしても、生産性(資源から付加価値を産み出す際の効率の程度)をテーマにしていますから、入力に対して何がどれだけ出力されるかが重要です。

生産性とはなにか

知的生産性を語る前に、そもそも生産性とは何かを知っておく必要があります。

生産性とは、成果/労力、Output/Inputです。

つまり、生産性を上げるということは、成果そのままに労力を減らすか、労力そのままに成果を上げるかの2つしかありません。

人間の能力にはそう大差はありませんから、ある程度業務に習熟している場合に生産量を増やすためには、稼働時間を増やすことで可能になります。労力そのままに稼働時間が増えれば、当然生産量は増えます。このとき、生産量とともに投じる時間も増えているので生産性に変化はありません。

しかしながら、通常使える時間は一定と考える、つまり、限界ギリギリの効率と稼働時間で最大の成果を目指しているので、時間を増やすという発想自体あまりされません。

さて、従来あまり考えられないとはいえ、効率(労力)はそのままで生産量を増やすには、稼働時間を増やせばいいことがわかりました。厳密にはこの方法で生産性は上がっても下がってもいませんので、生産性をアップするには、やがては効率(労力)を上げて(労力を減らして)いくことになります。

今回は生産性を増す前に、生産量(アウトプット)そのものを増やすことについて言及します。ここでのテーマは、ないはずの時間をどう生みだすのか、ということです。

1日1時間を確保せよ

1日1時間を確保しましょう。

できれば、まとまった1時間が望ましいですが、それが難しい場合は、15分かける4セット、10分かける6セットでも構いません。いずれにせよ、一日1時間を365日続けると、1年間で365時間を確保することが可能です。

365時間を一日の労働時間である8時間で割り算すると、

365÷8=45.625日

となります。1ヶ月の労働日数は、22日前後ですから、1日1時間を確保することで、2ヶ月分の労働時間を確保できることが分かります。

朝の一時間を確保せよ

ここからは少し効率の話になりますが、同じ一時間でも朝の1時間が夜の1時間よりも効率が良いことが多くの研究結果より明らかにされています。

朝の1時間は夜の3時間に相当するとか、夜の5〜6時間に相当するという人もいます。朝の1時間が効率的な理由は様々ありますがここでは説明を控えます。知りたい方は、情報を収集・整理・分析・加工・発信して活用してみてください。

仮に、朝の1時間が夜の3時間に相当するとした時、毎日朝の1時間を確保することができれば、年間365時間の3倍、

365×3=1095時間

の時間が確保できることが分かります。これは2ヶ月分の労働時間の3倍ですから、6ヶ月分、つまり半年分の労働時間を確保することができることになります。

残念な時間の使い方

以上から、効率を変えずに1年を18ヶ月にするアイデアとは、毎朝1時間確保する、ということになります。

ところで、毎朝確保した時間で何をするかが重要です。早起きして朝の時間を確保している人はたくさんいますが、残念なことにせっかくの時間を活かしきれていない人がほとんどです。

たとえば、

「おはようございます。4時30分に起床しました。今朝も黙々と事務作業からはじめます。」

という人がいたとします。これは残念な時間の使い方です。

事務作業とは、その名の通り「作業」です。「作業」は脳みそを使わず処理できるという意味で、労働生産に近いもので、知的生産とはいえません。そういう作業は日中の頭が働かなくなって来た頃にモクモクと処理する方が脳みそも休まって良いでしょう。

朝の覚醒して冴えきった脳みそには、新製品や新サービス、新事業のアイデアや企画、戦略の立案など、もっと高度で創造性溢れる仕事をさせるのに向きます。

早起きして事務作業をしている人は、結局延々と事務作業をし続ける傾向があります。事務作業はいずれにせよしなければならないことですから、日中に集中して処理するようにし、朝のもっともクリエイティブな時間に未来創造の重要な時間を確保するようにしたほうが生産的です。

注)厳密には、朝の起き抜けは頭が半分寝ている状態で冴えていません。脳力が最大パフォーマンスになるのは、起きてから2,3時間後と言われます。個人差もありますが、筆者の場合、30分程度で覚醒状態になりますので、それまでは整理整頓、掃除、料理など頭を使わず手先で出来る作業をすることにしています。そのうち頭が冴えてきて、クリエイティブタイムに突入します。

その他、効率を増すアイデア

労働時間を増やす、という発想のほかには、効率を増すことで労働時間を減らすという発想があります。効率を増すアイデアは実にたくさんありますので、労働時間を増やした上で効率を増すアイデアを実行すれば、生産量は1.5倍どころか、2倍、3倍に増やすことも可能です。

例えば、1ヶ月22日単位を20日単位にして捉えると、2日分のバッファが確保でき、目標達成しやすくなります。1ヶ月毎に目標数値(ノルマ)が課せられる営業マンや、フルコミッションで収入を得るタイプのビジネスマンに向いてます。

同じような発想で、1週間を3日と捉えてみると、1週間分の仕事を3日間で処理しようとするので、効率が倍になったりします。さらに、1日で見れば、仕事は午前中だけ、という捉え方をすれば、これもまた効率を増すアイデアとなります。

効率を倍にした上で、フルタイム働けば、生産量は1.5倍どころか2倍になるとはこういう理屈からです。

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後藤健太

【サムライ社長】
斬法総合研究所所長/真剣武士道指南役
株式会社コンセプト・コア代表取締役/経営コンサルタント
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