Must,Can,Will~3つの輪で天命を知る

  1. コンセプト
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【読了の目安 : 5 分】

キャリア教育の分野や、新入社員向けの研修などで、自己認識を深めたり確かめたりする目的でよく使われるMust、Can、Willからなる3つの輪の話は有名だ。

やるべきこと、できること、やりたいこと、この3つの重なり合いを見つけていこう、とう主張だ。

ところが、いままでどうも腑に落ちないことがあった。というのも、3つの輪が重なりあった中心部分について誰も言及していないのだ。

3つの輪を解説している文献や専門家の記事をできる限り多く集め、研究したところ、ついに彼らの主張の「誤り」を発見した。

専門家の認識の間違い

上述したように、多くの専門家は、Must、Can、Willを、「やるべきこと」、「できること」、「やりたいこと」と翻訳し、定義していた。

この定義で考える時、3つの輪の重なりあう中心部分が何なのか、さっぱり見えてこない。というより、3つの輪の重なり合う中心部分こそが、「やるべきこと」であるはずだという考えを捨て去ることができないでいた。

筆者は、同じような意味合いで、使命(ミッション)を導き出すときに3つの輪のモデルを援用しているが、その3つの円の定義はこうだ。

  1. 期待
  2. 能力
  3. 希望

である。

期待・希望・能力

つまり、「求められること」、「できること」、「やりたいこと」だ。

先日、とあるコンサルタントが、これから起業しようとしている人に対し、紙にこのMust、Can、Willのダイアグラムを書いて手渡しし、

「あなたは、やるべきこととできること、やりたいことを整理してその重なり合う部分を見つけなさい」

とアドバイスしたのを目の前で見ていた。

(いやいやいや、だからその重なり合う中心部分=スイートスポットは何なのさ!

と、心のなかでツッコミを入れつつ、どうもスッキリしない気持ちで。

わたしの定義では、これは明快である。その重なりあう中心部分は使命=ミッションにほかならないから、つまり、それこそが「やるべきこと」「果たすべきこと」である。

そして、気づいた。

Mustはやるべきことではない

そう気づいて集めた3つの輪に関する文献や記事を再度分析してみると、ものの見事にそのほとんどが、Mustを「やるべきこと」誤訳していたのだ。

ついにすっきりしない原因を突き止めた。

Mustとは、「やるべきこと」ではない。「やらねばならぬこと」「しなければならないこと」である。

とすると、「やるべきこと」とはShallである。

そう、Must、Can、Willの3つの輪が重なりあう中心部分は、Shallなのだ。

誤訳が招く誤った論理展開

Mustを「やるべきこと」と誤訳すると、3つの輪の重なりあった中心部分が空白になる。すると、自ずと誤った論理展開となる。よく見られるパターンは、Must、Can、Willの順番についての考察である。

義務が最初に来ると苦しいから、最初に意思や願望があるべきというのだ。したがって、Will、Can、Mustの方が好ましいだろうというのである。やりたい、できる、やるべきだ。なるほど、確かに「これをやるべき」というのは最後に来るから、順番を変えたくなる気持ちはわかる。

しかしながら、Mustを「やるべきこと」を誤訳するからこんなおかしなことになるだけだ。

Mustは「やらねばならぬこと」「求められていること」だから、できることとやりたいことと並列で考えられるべきことである。

当然の事ながら、全てが等しく重要なので、順番の議論などどうでもよい!まったくもってナンセンスだ。これは心技体真善美などの三段論法すべてについても言える。

WillとShallはともに未来を表す

willとshallはともに未来を表す言葉だが、意味合いが少し違う。

willとは辞書を引けば分かるが、意思意向予測願望を表す未来である。

一方、shallは語義が「まっすぐに」という意味であり、やや確定的、強制的で、「こうなるはずだ」、「こうなるに違いない」、そして、「こうするべきだ」という未来を表す。

仕事を選んでいるのか、仕事に選ばれているのか

Mustを「やるべきこと」と誤訳してしまった挙句、Willを最初に持って来るべきと、

Where there is a will, there is a way.

意志あるところに道は開ける

という耳障りのいい格言を引っ張りだして堂々と誤った論理展開をしてしまう人は、残念なことに天職天命にはしばらく出会うことができないかもしれない。

はじめにWillがある、Willがあってほしいと思っている人は、仕事を自分で選んでいるつもりになっているに違いない。ところが、実際は違う。我々が仕事に選ばれているのである。

これが世間の期待求められていることであり、それがやらねばならぬこと(=Must)としてあなたの目の前に現れ、それに応えることができ(=Can)、やりたい、挑戦してみたい、やれたらいいなぁ(=Will)と思えたときにはじめて、あたたの為すべきこと、果たすべき使命(=Mission)がShallとしてまっすぐ立ち現れるのだ。

天職や天命とは、Shallを積み重ねていった先にある。

生きがい、やりがい、働きがいとは

当社のスローガンの一つに、

人生に生きがいを

仕事にやりがいを

職場に働きがいを

というのがある。

人は、天命に導かれ、天職と思える仕事に出会えた時に、この3つを満足することができると信じている。

つまり、天職や天命を全うしている状態こそが、生きがい、働きがい、やりがいをもっとも感じて幸せを実感できるスイートスポットということができる。

そして、できることを増やしたり高めたりしながら、やりたいことを明確にすればするほど、応えられる期待も多く大きくなり、それにしたがって生きがいややりがい、働きがいが増すということは想像に難くない。

後藤健太

Life is Contents! 人生に一片の無駄はなし。すべての経験をビジネスのネタにするくらい逞しく生きて行きたい。

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