自律は手段、自立は目的
以上より、自律と自立の違いが明確になった。
また、自律か自立かは無意味な議論であることもわかった。
なぜなら、自律とは外的要因(脅威)に脅かされない自立した状態(無競争状態)を創り上げる能力であり、自律と自立とは互いに因果関係にあるからだ。
つまり、自律の目的とは、自立である。
それは、排他力を発揮し、外的要因を排除する、脅威が及ばないようにすることであり、その目的において、あらかじめ外的要因(脅威)が及ばない無競争状態の環境を選択することは戦略的に正しい。
自律が自立の上位概念なのではなく、目的としての自立が手段としての自律の上位概念なのだ。
余談であるが、自律型人材(自ら主体的に考え行動する人材)の育て方については以下が参考になる。
自律とは自分で自分の未来をつくること
こうして、再度冒頭の辞書的な意味を振り返ってみると、なるほど、自立はあり方・姿勢、つまり「状態」を示しており、自律はやり方・方法、つまり「行動」を示している。
それは、対立する概念ではなく、因果関係で結ばれた概念なのだ。
われわれは自立するために自律するのである。もっといえば、目まぐるしく変化し続ける環境に適応するために、自律し続けるのだ。
自律を諦めた人間に、自分でつくる自分の明るい未来があるとは思えない。あるのは、他人がつくった他人の未来だ。他律依存、指示命令、支配服従の世界だ。
自律し自立を目指す姿勢は、現状打破の創造活動であり、他律依存の姿勢は、現状維持の改善活動である。
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