過去の備忘録にもしたためてあるが、その時はたしか、「気剣体の一致」を探るためと書いた。もう一つ大きな理由がある。それは「手の内の養成」である。 この気付きについては、連盟系の杖道やその他古流の杖術を習いに行っているときには気づきもしなかった。それどころか、杖は靭やかな身体の養成、特に、肩甲骨をほぐし、肩こりに効くなぁくらいにしか思っていなかったものである。(実際、とある連盟系の稽古会で杖をやる意義やメリットを指導員に問うたところ、「人間形成」と答えられたのだが、それは武道全般に共通する目的であるから、杖ならではの、杖でしかないものは何かと問い直すと「健康増進に繋がり肩こりに効く」と回答が来てがっかりしたものだ。) ところが、You Tubeで金山孝之氏の杖術演武を拝見した時、上の2点についてピンと来るものがあった。そして、実際にはじめてみてその時の直感はたしかだったと毎度確信を深めている。 剣友にもこの気づきについては話しているが、理解どころかピンとくる人は今のところ一人もいない。 金山氏の杖術について参考のために掲載しておく。
でこちらが、稽古翌日に我らが斬総研の神田ラボにて撮影したわたしの稽古模様。ようやく型の順番を覚えたばかりで氏と比較されては困るのだが、この動画をツイッターでシェアしたところ、驚くほど反響があった。まぁ、所詮素人の杖なのでまだこんなものだ。まったく恐縮する。読者の皆様はくれぐれも金山氏の動画と同時再生しないように。(遅っ!ってなるので) 冗談はさておき、杖術はあくまでも剣術・抜刀術のために行っているからここからが本題。 先日、MP関節の運用により杖化する剣術・抜刀術という記事を書いたことは、この備忘録シリーズをお読みになっている読者の皆様ならご存知のことだろう。 剣術稽古では八相からの胴斬りの稽古を行ったが、八相から水平に移行する際には腕の振りではなく手の内の作り込みによって実現している。これは私独自の工夫であり氏から教わったことではないが、杖化するとはつまりこの手の内の自由自在な発展によるものだ。 以下の動画は畳表を立てて真剣で実際に斬ってみた動画である。最初のは残渣を利用した無固定状態の置き畳を八相から手の内の作り込みによって瞬時に水平に斬ってみている。切り終わりに鋒が下がっているので袈裟に斬ったかのように見えるかもしれないが、スローモーションにしてみればしっかり水平に斬り抜いていることがお分かりいただけると思う。 その後はおまけで鷲眼1戦(しゅうがんいっせん)と陰転の抜打逆袈裟からの切り返し袈裟斬り。経営顧問
コメント