金山剣術稽古会ではそのことを強く実感し、そこで得られた実感というのはおそらく奥義にも通じるであろうエッセンスであると思う。
しかしながらここを到達地点として満足してしまってはそれまでである。
これはこれでさらなる未知の身体操法に近づくためのメルクマールとしよう。
浮足立つことと浮きをつくること
浮きをつくることは
浮足立つこととは違う。
当たり前のことであるがこんなことにずっと気づかなかった。まさか、しっかり地に足がついている状態、それこそが
「居つき」であったとは。
しっかり地に足がついている感覚は保持しながらもいつでも動けるように浮きをかけたままにしておく。言葉にすれば簡単だが、実際にやるとなると難しい。
難しいことなのでできるだけ言語化して記録しておく。
浮きと居つき
身体に
浮きをかけ即時対応可能な状態をつくることつまり
居つきのない状態であるが、ここのところずっとテーマにしているオコリを見せない・気づかせない最短最速最大の動きというのは、
技の発動の前にすでにこの状態を作っておくことから始まる。
この身体のつくりを
構えと言い、常時
構え(オコリを見せない臨戦態勢)がとれている身体感を以下の記事では
武術的身体と呼んだ。
見えない突き【稽古備忘録】金山剣術稽古会20171120(杖術、剣術、抜刀術)
今回の稽古でこのことを強く実感したのは、従来の方法が浮きを作るための構えであった(結果的に)のに対し、今回からは浮きはすでに作っておいて(意識的に)いきなり技を発動できるということだ。
従来の方法では、浮きをつくる瞬間にオコリが生まれる上に、浮いていない状態から浮きを掛けさらに技を発動となると一挙動多い上にパワーを相殺してしまうため、スピードも威力も半減してしまう。
浮きの縮地への応用
浮いた状態(居つきのない状態)から下半身の抜きで垂直方向に瞬間的に爆発的な力を生む。足構えや重心を工夫すること(これも技の発動前段階の構え、つくり)でこの垂直のパワーを前後左右の水平方向に自由自在に展開することができる。
この時、蹴り足は一切使用しない。
地面を蹴るということは踏み込み(タメ)の予備動作が発生することになるから、無駄である上に遅い。
浮いた状態(居つきのない状態)からの始動であれば、敵の攻撃を瞬間的に躱したり、瞬間的に間合いを詰めたりすることが可能になる。
これが縮地であり、ここのところ話題にしている八相からの袈裟斬りに応用すれば、一気に間合いを詰めて最短最速で斬ることが可能となる。
稽古備忘録
杖術、剣術、抜刀術を行う。
杖術では、お辞儀潰しに始まり、ほとんどこれに熱中することになり、剣術でも棟返しからの潰しを研究、同様の論理体系で効果的であることを確認した。
同時にこの浮いた感覚は、抜刀術にもそのまま応用可能であるとピンときて、稲妻と滝壺でそれぞれ確認したら、聞いたことのない凄まじい刃音がして自分でもびっくりした。
鷲眼一閃では抜きつけた刀の威力が凄まじすぎて刀を飛ばしそうになるほどだった。
この身体体操法を身に着けた暁には一対どんな斬撃を繰り出すことができるのだろうか。その威力に耐えきれる身体がまだできていないので、しばらくは浮きを制御しつつ修練を積むのみ。
コメント