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問題解決を迫られた時に留意すべき3つのポイント

生き続ける限り我々は常に何らかの問題に突き当たる。そういう意味で人生とは、問題解決の連続であると言える。
人はどこで、どのように問題に直面するのだろうか。そして、どうやってその問題を乗り越えていくのだろうか。
問題解決を迫られた時に留意すべきポイントがある。 それは、

  1. 問題とはなにか
  2. 問題に対するふるまい
  3. 問題の効率的な解決方法

ということだ。
以下に順番に見ていくとしよう。

問題とは何か

問題解決をするといっても問題とは何かがわかっていないと解決することはできない。 問題とは理想と現実のギャップである。
それは、目標や夢を抱く限り存在し続ける。現状に満足せずより高みを目指す、その高さこそが問題の正体である。
目標が高ければ高いほど、夢が大きければ大きいほど、こうしたいという欲求が多ければ多いほど、問題は高く、大きく、多くなる。
現状維持の消極的姿勢でいる限り、理想とのギャップは生じないから問題は起きない。したがって、問題の発生を極端に恐れる人は、いつまでも現状維持の消極的姿勢を取り続けることになる。
逆に現状打破の積極的姿勢でいると、絶えず問題解決を迫られることになる。
一方で世の中は無常であり、常に変化し続けるものであるから、しかもそのスピードが加速しているという状況にあって、人間だけが変化しない道を選択することは諦めたほうがよい。
ここで言う「諦める」とは、語源をたどれば物事の道理や真理を明らかにするという意味だから、けして打ちのめされてネガティブなるということではなく、世の中の常は変化であることを受け入れて、むしろ積極的変化対応していこうという姿勢のあらわれである。

問題に対するふるまい

問題に直面した時、人には3つの選択肢がある。

  1. ネガティブな感情に支配され負のループに陥る
  2. はじめから無かったことにする
  3. 問題解決の覚悟を決める

の3つだ。
1つ目のタイプは、問題が起きるとすぐに挫けてしまい、必要以上に落ち込んでしまうタイプだ。起きたことは仕方が無い。くよくよしていても問題は解決しないのだから、なかったことにするか解決するかのどちらかだ。
2つ目のタイプは、ある意味において理性的といえよう。問題は片っ端から解決すれば良いというものでもない。大抵は100ある問題のうち、本当に解決すべき根本的な問題を2つか3つ解決すればよい。ところが、大抵の場合、自分で難易度を勝手に決めて、困難な問題は見て見ぬふりをしたり、できない理由を探して解決しないことに合意したり、他にいい考えが浮かんだなどとはぐらかしたりする。結局問題は根本的に解決しない。
3つ目のタイプは、目標に対して最後まで強力にコミットメントする、あるべき姿といえよう。容易に解決策が見つからない時にでも簡単には諦めない。先に述べたように、問題とは理想と現実のギャップである。掲げる目標や理想が高ければ高いほどそれに比例して難易度も高くなる。その壁を乗り越えるかぶち破るかしない限り、目標の達成はないのだから、ある意味、諦めることを諦めた状態だ。

問題の効率的な解決方法

問題は問題のままにしておくといつまでたっても解決できない。問題とは、「なぜ〜か?」という一文で表されるものだが、なぜを繰り返して出てくるのは、答えではなく原因である。
上司が部下の失態に対して「なぜできないか?」と詰問したり、会議で新しい取り組みについて意見を求めた際に、部下の口からはできない正当な理由ばかり並べ立てられるのはそういうことだ。
つまり、あなたの聞き方が悪いのである。
では、原因ではなく答えを導き出すためにはどうすればよいだろうか。

①問題を問いに変換する

問題を問いに変換するとは、「なぜ〜か?」を「どうすれば〜か?」に変換することだ。こうすることで原因追求モードから問題解決モードに切り替わることができる。
質の良い問いは、答えを自ずから導いてくれる。その意味において、問題解決とは適切な問いを設定することで半分は解決されたことになる。
したがって、問題解決の第一歩は、まず「なにを解決するのか?」を決めることだ。そのためにすべき問いを考えることだ。解決すべき問題はたくさんあるが、すべて解決する必要も時間も労力もない。繰り返しになるが、数多ある解決すべき問題のうち、それさえ解決すれば他の9割の問題も解決するような、2つ〜3つの重要な問題を選び、問いに変換しよう。
ところで、解決策のクオリティは、問いの質の高さに影響を受ける。質の悪い問いは、すでに知っていることをより確固たるものにするだけで、知っていることを確認するに過ぎない。それは、予め知っている答えを導き出すためにつくられた問いであり、話を飛躍させてしまえば、これが日本の学校教育の弊害である。すでに知っていることを深めようとするだけでは、深い気付きは得られないし、現実社会で直面する問題など解決することはできない。

②現状を把握する

人は、既成概念、固定観念、思い込みなどによって支配されている。スーパーコンピューターでもかなわない膨大な量の情報を処理する人間の脳は、以前経験したことがあることが再び起きた時に即座に対応できるよう、一度経験したことをパターンとして認識し蓄積している。したがって、多くの経験をすればするほど既成概念や固定観念、思い込みといったフィルターが分厚くなっていくことになる。
これは脳みそが省エネモードに入るためで、生命維持機能として当然の働きなのだ。
問題解決で注意しなければならないことは、問題の本質を的確に掴むために、何がどうなっているかできるだけ忠実に把握することだ。
その際に注意しなければならないのは、事実と解釈を分けるということである。
事実は一つ、解釈は無限なのであって、事実だと思っていたことが実は解釈(既成概念、固定観念、思い込み)に過ぎなかったということは多々ある。
そうすると、その情報は人から言われたことなのか人から聞いたことなのか、誰かの意見なのか客観的データなのか、一般論なのか具体論(個人的見解)なのか自ずから区別することとなる。
例えば、スタートアップの事業には大抵の場合十分な資金はないはずだが、「我々にとっての問題は、お金がないことだ。」では現状把握とは言えない。これは資金不足であることの解釈でしかない。
事実を正確に把握するとは、「予算はいくらだ。スタートアップに必要なコストはいくらだ。」ということになる。そうすると、足りない資金は具体的にいくらなのか明確になり、それを調達するためにどうすればよいだろうか?と問題解決のモードに変換することが出来る。
さらに、事実と解釈を区別するようになると、意見の対立が起こりにくい。事実とは実際に起きたことの記録でしかなく、そこに誰かの意図や解釈が介在しないためだ。したがって、事実は誰かを誹謗中傷しない。
このように現状の把握には、客観的事実をつかみ出すことが重要だ。

③解決策を見つける

②のステップで、事実をつかみ出したら、その事実に対する解決策を考えていく。事実とは、「なにがどうなっている」ということだから、それに対する解決策は、「なにをどうする」ということだ、と思うかもしれないが、そうではない。
繰り返すが、問題は問題のままでは解決できない。適切な問いに変換されてはじめて解決出来るようになる。
そのままでは食べにくい食材を調理して美味しく食べられるようにするのと一緒だ。そもそも、腐りかけで食べるとお腹を壊すようなものを、よく火を通して食べられるようにしたり、塩漬けにしたり発酵させたり、先人がお腹を壊しながら、時に命を落としながら、試行錯誤を繰り返してきた歴史の上に、我々の食文化が成り立っているのである。
話が横道にそれたがようはそういうことである。
例えば、「資金はいくらだ。新規事業のスタートアップには資金がいくら必要だから、あとこれだけの資金が足りない」という事実ベースの問題が出てきたとする。
それに対する解決策は、「足りないいくらの資金を調達する」ことではない。まず、「スタートアップに必要な資金を満たすために、足りない分のお金をどう調達すればよいか?」という問いに変換する必要がある。
こうすることで、資金調達の必要性が、どうやって資金を調達するかという具体的方法論として導き出せるようになる。
ここからの注意点は、考えうるあらゆる方策を出し尽くし、実現可能性効果性を軸にして二軸マトリックスにプロットし、優先度が高いものから順に実行していくことだ。
二次元マトリックスでは、方策の実現可能性効果性がそれぞれ、

  1. 高い・高い
  2. 高い・低い
  3. 低い・高い
  4. 低い・低い

と4つに分類されるはずだ。これを上から順番に実践していけば良い。

優先順位マトリックス

ここでの注意点は、アイデアや提案を出す時点では、出てきた一つ一つの提案をいちいち評価してはならないということだ。
アイデアが浮かぶたびに評価していたのでは、どんどん視野が狭くなり、思考が限定的になり、発想力が矮小化してしまうからだ。
会議などで部下の提案に対しつらつらできない理由を並べ立てるだけの評論家タイプの上司は、組織にとって排除すべき癌である。うちの部下はダメだ。全然画期的なアイデアを出してこない。と嘆く上司がよくいるが、それは提案してもあの手この手で却下されるのを分かっていて部下が提案すること自体を諦めているからで、そうさせているのは、紛れもなく上司であるあなた自身の責任である。

④行動案に合意する

人は誰かに掲げられた目標は達成しにくいという。そうではなく、自分で立てた目標やチーム全体で、よしやろう!やってやろう!と握られた目標は達成しやすいという。
掲げられた目標と握られた目標、同じ目標でもどちらが達成されやすいかは明らかだ。
人は子供が生まれたりすると親としての自覚が芽生え、一日で変わることがあるという。これは自分で生み出したものにはこだわる、責任をもつという、人間的性質による。
この性質を利用して、目標は実行部隊が自ら率先して考えなければならない。こうして合意された目標ならば、そうでない目標に比べはるかに実現可能性が高まるだろう。

まとめ

結局のところ、確実に目標達成する方法などないのだ。ただ、いかに実現可能性を高めるか、その一点に集中し、問題を小さく分割していって、それぞれの小さくなった問題を「どうすれば〜か?」という問いに変換して、「なんのためになにをどうする」という解決策に落としこんでいくだけである。
ここまでくれば簡単な作業だ。やるべきことは最小の実行単位(タスク;Task)にまで分解されているはずだ。このようにやるべきことを業務の手順にしたがって分解処理していくことをたタスクブレイクダウン(Task Breakdown)というが、知的生産性を求められる職場では、プロジェクトが発足したり、上司からの指示があるとすぐに「TBしろ!」と合言葉になっているくらいだ。TBができればあとは優先順位を決めて遂行していけばよい。
最後に余談ではあるが、家業から企業の経営戦略を専門としている株式会社コンセプト・コアでは、2014年2月より、問題解決のための入門企画である「戦略会議」を、拠点とする相模原の橋本で定期的に開催していくことになった。
戦略とは簡単に言えば目的遂行のためにやるべきことを決めることだ。くどくど繰り返すまでもなく、目的成就の確率は戦略をもつのともたないのとどちらが高いだろうか。

後藤 健太

後藤 健太

サムライ社長/株式会社コンセプト・コア 代表取締役

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