10月5日に母校の私立清真学園高等学校(茨城県鹿嶋市)にて、高校1年生(一部希望の2年生)を対象に、職業座談会の講師を務めました。
清真学園は、茨城県有数の中高一貫の進学校です。大学進学に加え、近年ではSSH(スーパーサイエンスハイスクールの略称)という活動やその後のキャリア教育にも力を入れています。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは、文部科学省が科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度のことで、2002年度にはじまり、清真学園は2007年度に茨城県の私学としては初の指定を受けました。SSH研究発表会・セミナーなどを通し、多くの大学・企業と活発的な学術交流を行うほか、独自の理系型カリキュラムを取り入れています。
わたしは、1997年度の卒業生ですから、卒業したから10年後にこの制度が始まったことになります。久しぶりに母校に訪れてみて、なんて恵まれた教育環境になったんだろうと羨ましく思いました。
高校1年次における、キャリア教育導入の意義
講師をしてみて、あらためて本格的な受験勉強が始まる前の高校1年次に、卒業後のキャリアについて考える事の重要性を感じました。
わたしたちの時代は、半沢直樹的に言うと「ロスジェネ*」にあたりますが、いい大学に入学して、いい会社に就職して、終身雇用で定年退職を迎え、老後を年金で悠々自適に暮らす、という高度経済成長期にでっち上げられた神話を、まったく信じていない世代です。
ですから、大学に進学することや、そもそも、「勉強する」、ということに関して意義が見出しにくい世代でもあります。
したがって、目的をもたないまま受験戦争に巻き込まれ、単に戦争の犠牲者にならないためには、今のうちから勉強する意義、働く意義、人生の目的、そういったものを考えておく意義は非常に大きいと思うのです。
*ロストジェネレーション(さまよえる世代)の略。バブル崩壊後の就職氷河期に新規卒業者となった世代で、フリーター、派遣労働者、引きこもりなどの総称 としても使われる。正規雇用の道を断たれることが多く、格差社会や貧困の体現者ともされる。( 2011-03-07 朝日新聞 夕刊 2総合 )
清真学園の職業座談会とは
清真学園においては、卒業後の職業及び進路についての意識啓発により、大学や学部の選択につながるとして、中学校1年より高校3年までの6年間をかけて、継続的なキャリア教育を行う仕組みを整えているそうです。2005年にはじまり、今年で8年目となりました。
価値観や関心の多様化により、近年では自分の関心に近い職業のOBと膝詰めで話合う、座談会スタイルが主流となったようで、今回は、映像出版編集、製薬メーカー品質管理、ソフトウエア開発、脳外科医、経営コンサルタント、大手総合電機メーカー人事担当、鉄道系広告企画、弁護士、メガバンク支店営業、食品メーカー開発製造、と12名と多士済々のOBOGが講師として後輩たちに熱く語りました。
後輩たちへのメッセージ
80分と限られた時間の中で、現在の職業のこと、社会人として求められること、大学時代のこと、高校時代のことなどを通じて、後輩たちにメッセージを伝えなければなりませんでした。
わたしは、それぞれ、5つずつの少項目に分けて、20個のテーマでお話しました。
現在の職業に関すること
- 仕事とはなにか
- 経営とはなにか
- コンサルティングとはなにか
- 会社とはなにか
- 職業と適正
高校時代のこと
- 音楽部選択の理由と目的
- 志望校選択の理由と目的
- 学習方法
- 選択と集中
- 勉強以外の独自体験が重要
大学時代のこと
- 学習方法
- 海外留学
- アルバイト
- 就職
- 転職と独立
社会人として求められること
- これからの社会人に求められること
- これからの社会人に求められないこと
- これからの、といって今までとは区別した理由
- やり方とあり方
- 知識と知恵
後輩たちへのメッセージ
”他人がつくった未来ではなく、自分でつくった未来に生きよう”
*各テーマのリンクにお話した内容を要約して記しました。よろしかったらご覧ください。
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