義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義という武士道の7つの徳目の内、前回は5番目の誠について書きました。今回は、6番目の名誉について。武士にとって名誉とは命よりも大切なものだそうです。命より大切な名誉とは一体何なのでしょうか。現代では、名誉とは功績に対して第三者から与えられるイメージが強いですが、武士道における名誉とは人から授かるものではなく自分の内にあるもの、すなわち、マイスタンダードです。武士とはかくあるべしに対し、反するところはないか、相応しいかどうか、恥ずべきところはないかなど、理想とする武士の行動規範であり生涯をかけて追い求める目標です。武家に生まれるとまず叩き込まれる精神性がこの名誉、つまり廉恥心であり、人に恥じるところのない立派な人間として生きることが大切にされていたことがわかります。我々社会人にとって、人として恥ずかしくない言動や立ち居振る舞いは信頼に直結し、業績に影響を及ぼすものですので、改めて見つめ直してみる価値があります。(太)
「満福通信」2020(令和2)年10月号より
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