【少ない】という主観的評価一点をとっても言いたいことは盛りだくさんだが、それ以前に、読んだ本や仕入れた情報や知識に価値を見出す力や、そこから新しい価値を生み出す力が根本的に不足しているというだけの話である。
地方は不利か?
地方にいくと頻繁に聞くセリフに、地方は都会に較べて情報が少ない、機会が少ない、という人がいる。地方あるあるだ。たしかにボーっとしていて受動的に入ってくる情報や機会は少ないかもしれない。しかしながら、これにしても上と同様、積極的に情報や機会をつかもうとする主体的姿勢が不足しているだけである。
このような人は都会にいようが地方にいようが鮮度の高い情報を入手することができない。逆に情報の入手に積極的で主体的姿勢を持つ人には情報の方から入ってくる。
現代社会は情報過多か?
一方で、現代社会は情報が溢れているので取捨選択と優先順位が大事というあるあるもある。上の主体的姿勢に倣えば、どんなに情報の多い少ないは実はあまり関係がない。結局は自分が得たいと思う情報、得たいと思う知識を得ている、ただそれだけのことだ。
一見して情報過多に見える場合においても、自分が大切だと思っていない情報は素通りしているはずである。頭の片隅にも残ろないどころか、目の前にあっても目に入ってさえいない。
人は見たいものを見る
結局人は見たいものを見て、得たいものを得るのである。すべては自分次第だ。
そこに主体的意思が介在して初めてキャッチアップ可能となる。そうでない場合は、穴の空いたバケツで水をすくうがごとく、どんどん漏れ落ちるだけだ。
同様にもたらされた結果についてあーだこーだ不平不満をこぼす人というのは、その結果を自分が望んで引き寄せたという事実になかなか気づかない。
ピンチをチャンスにできる人の思考
ピンチをピンチだと認識すればピンチになり、ピンチをチャンスと認識出来る人だけがピンチをチャンスにできるのである。業種や業態は無関係に、他人頼りの姿勢をやめ、自分の人生を主体的に生きると決意した人には、チャンスしか訪れない。
準備している人にだけチャンスはやってくるといったのはノーベル物理学賞を受賞した小柴先生だが、小柴先生のおっしゃる周到な準備とは、自分で、もしくは、自分が、という主体者意識かもしれない。
運がいいなんてありえない。
チャンスは周到な準備をした者だけにやってくる。小柴 昌俊(こしば まさとし) (物理学者、ノーベル物理学賞、東京大学特別栄誉教授、1926~)
読書のすゝめ
読書しよう、ということを言いたいがために随分遠回りした気がする。結局得たい情報を得るというのがここまでの要旨であるが、読書から得たい価値ある情報を発見するためにはいくつかコツがある。
- 読書する目的が明確である
- 得たい情報が十分に得られたのなら他のページは無理に読まない
- 得たい情報を補足する関連情報で再検索する
1.読書する目的が明確である
読書する目的が明確とは、得たい情報が明確ということだ。得たい情報が明確であれば、その情報が書いてある本を手に入れることができ、目次を見てその情報がどこに書いてあるか目星をつけることができる。
得たい情報が書いてあるページを発見したのなら、はじめから読み進めないですぐさまそのページへジャンプする。そこだけ読んで理解できないなら前後のページや他のページも参照してみる。
2.得たい情報が十分に得られたのなら他のページは無理に読まない
読書ベタな人は、最初から最後まで読もうとするからうまくいかない。得たい情報が明確であるならその周辺だけ読めば良い。得たい情報がその本に他にもあるのであれば読めば良いが、大抵の場合他のページには価値ある情報を見つけることはできない。
繰り返しになるが、人は得たい情報を得るのであって、得たいと思っていない情報はたとえ誰かにとって有用でもあなたの琴線には触れないからだ。
もちろん、時間を経て新たな問題意識や必要とする情報が出てきた時、読んでいない他のページに得たい情報が書いてある可能性は十分にある。
3.得たい情報を補足する関連情報で再検索する
得たい情報を立体的に把握するためには、関連情報も抑えておくべきだ。大抵の場合あなたの得たい情報は複合的概念であるはずだ。そうでなければ辞書で調べれば済む話だからである。
あなたの得たい情報がどんな関連情報により構成されているのか、三次元に過去現在未来の時間軸も加えて把握してみよう。自分で情報を吟味したり精査したりする主体的姿勢の不足する人というのは、短絡的に人の意見や主張を鵜呑みにしがちである。フェイスブックなどのSNSで多く見られる現象でもある。
「シェアさせていただきます」の前にその情報を鵜呑みにせず多方向から検証してみたらどうだろう。シェアする際にはシェアする情報を自分なりに吟味した結果を添えてみるとよい。
その際にもネットの情報だけでなく是非書籍を参照してみて欲しい。電子化が進んだ時代ではあるが、書籍として出版されたものは情報として信頼性がいまだに高いからだ。
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