6月末に神田すずらん館を閉館してから、それに引きずられるかのように様々な苦難に見舞われたこの夏。珍しく眠れない夜もありました。そんな折、尊敬する大経営者である稲森和夫さんの新刊『心。』を拝読し、次の一節を目にして納得しました。「いかなる災難もそれを引き寄せる心があるからこそ起こってくる。自分の心が呼ばないものは、何ひとつ近づいてくることはない。」ああ、確かにそうだと思いました。すべては「心」が作り出しています。稲盛さんといえば、経営破綻したJALを再建させたことが記憶に新しいですが、畑違いの業界でなぜこのような偉業を成し遂げられたのか。また、なぜこの依頼を引き受けることができたのか。ずっと疑問に思っていましたが、その答えはこの本に書いてありました。稲森さんはJALの再建に、日本の経済再生のため、社員の生活ため、国民の利便性ため、という3つの社会的意義を見出したそうです。この大きな意義を見出した瞬間、「義を見てせざるは勇なきなり」という一心で決断したのです。我社の「義」はどこにあるのか。改めて問い直しています。(太)
「満福通信」2019(令和元)年8月号より
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