真剣武士道

腰腹文化を再興するのに居合・抜刀術が最適な理由

8月8日(木)は新宿スポーツセンターの第2武道場にて真剣武士道の居合・剣術稽古でした。

真剣武士道では真剣試し斬りの稽古があります。真剣は取り扱いを一歩間違えると大怪我をしてしまう可能性のある危険なものですから、居合刀(模造刀)や木刀による稽古を大変重要視しています。

特に刀を鞘に納める納刀(のうとう)時は鋒(きっさき)で左手を突き刺したりしがちですから、そうならないように納刀抜刀の練習は毎回念入りに行います。

一口に納刀といっても、流儀流派によって様々です。

真剣武士道でも斬り終わり方によって数種類の納刀を使い分けます。

毎週木曜日の定例稽古には初心者もおりますので基本の納刀を念入りに行いました。

血振り後に納刀する際、右手の位置はそのままに手の内の操作で鋒を反転させ身体に沿わせると同時に左半身を開き、鯉口で鋒を迎え入れます。

この時右手は握り込まず緩めてあり、拝み手の形で母指と示指の間の第1指間腔で柄を縦に挟み、柔らかく安定的に保持します。

初心者の方は「握力がないので出来ません」とおっしゃりましたが、実は握力も腕力も使いません。

しっかり拝み手の形が出来ていれば自然と肘関節は下を向き、脇が締まります。肘関節と脇が開いてしまうと三角筋から始まる腕全体の力で刀の重みを保持しなくてはなりませんが、基本通りの形ができれば骨格をうまく活用して身体全体で保持することが可能です。

古武術の肝は、部分の筋力ではなくみんなで少しずつパワーを発揮することで全体でなんとなく総力を発揮する身体の遣い方にあります。

この指針に従えば、どこかしら筋力を必要としているならばそれは身体の遣い方が間違っているかもしれないということになりますから、どうすればより省力化して動くことができるか、いつでも稽古の際の念頭に置いておくことをお勧めします。

無論ここで言っていることは武術稽古に限らず、物を軽く持ち上げたり、疲れず階段を登り降りしたりと、日常生活を楽にする知恵でもありますから、知っていて損はないどころか、知らないと人生損するとも言えるものです。

木曜日の午後の定例稽古は平均年齢70オーバーのシニア組ですが、皆さんメキメキと上達され、身体は衰えるどころか年齢を重ねる毎に活力を取り戻し、若々しくすらなっているようです。

これが生涯現役の武術稽古の特徴であり、若いうちに最盛期を迎え齢30も過ぎれば引退を待つ現代スポーツや現代武道と決定的に異なるメリットであると言えます。

肉体の強度ではなく、身体の遣い方。身体が遣えるようになると、筋力をつけなくとも力強くなれたり、速くなれたりします。オリンピックのメダリストをはじめ、プロスポーツ選手がこぞってトレーニングに古武術を取り入れる理由がここにあります。

これは筋肉や筋力を否定するものではありません。私も筋トレは毎週行い肉体強化も行いつつ身体の遣い方も追求しています。

やはり、武術的な身体操作をおこなうにしても、正しく美しい姿勢を保持したり滑らかに動いたりするには、基礎体力といいますか、最低限必要な体幹や肉体の強さが必要です。

いち早く武術的な動きが出来るようになるために必要に応じて必要な筋トレを適切に取り入れることは有益です。

そして、武術なら何でもいいですよと言いたいところですが、数ある武術の中でもやっぱり刀が最高です。特に腰に帯刀して刀を抜き差しする居合・抜刀術がいいです。

武器術も様々あるのですが、四六時中身につけていて、そのままの状態から攻防を行うというのは、居合・抜刀術の特徴です。

刀を腰に差しているからこそ理解できる、また、習得できる身体運用があります。

たとえば江戸時代の侍の歩き方など、着物袴着て帯を巻いて腰に刀を差してみると、なるほどなと分かります。

この歩き方が普段から出来るようになると、驚くほど疲れません。階段も楽に上がれます。人とぶつかっても柳のようにヒラリと躱せますし、押したり引いたり持ち上げたりもとても強い。

とても省エネな動き方なんだと実感します。

さらには、妙に落ち着きが生まれるというか、心穏やかに、頭は冷静に、まさに腰腹が決まり、肝が座った状態になります。

身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生 (NHKブックス) 斎藤 孝 (著)

齋藤孝先生が「腰腹文化」と名付けて再び伝統的な身体遣いに注目していますが、まさに臍下丹田が充実してくるのが実感できるかと思います。

とても日本人的というか、臍下丹田を充実させ身体のブレがなくなると心のブレもなくなります。

つまり、平常心や不動心を作るためには、まず、身体のブレを取り除いてやる必要がある。

なんだか掴みどころのない「心」をどうやってコントロールすればよいのわからないという方も多いと思いますが、帯刀してみるとその感覚がつかめるかもしれません。

土壇場での正しい決断が必要な経営者には必要な感覚であると思いませんか。当社が武術・武士道を事業に取り入れ普及している理由もここにあります。

帯刀するならなんでも良いわけでもありませんが、真剣武士道では「身体の遣い方」「心の整え方」にも取り組んでいます。

それを実現するには、居合刀や木刀では不足します。やはり「真剣」である必要があります。(真剣の感覚を身に着けた人は、居合刀や木刀でも、やがて無刀の状態でも心に真剣を帯びることができるようになります。)

後藤 健太

後藤 健太

サムライ社長/株式会社コンセプト・コア 代表取締役

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