8月10日(土)は筆頭会員さんのご厚意により、ご自宅のお庭をお借りして月に一度の野天真剣試し斬り稽古を行いました。
猛暑の中汗だくになって稽古します。
いつも話しますが、こういう習い事をしていない限り、ここまで汗だくになることは日常生活の中で滅多にないことではないでしょうか。
とんでもない量の汗を一気にかいて水分補給をしっかりすると、全身から老廃物が流れ出て心身共にリフレッシュする気がします。
とはいえ炎天下の過酷な状況。高齢のメンバーもいる中で体調管理と安全管理に細心の注意を払って指導を行いました。
一人ひとり技量も課題も異なる中、私が真剣試し斬りの指導時に意識していることは、私は私の課題に取り組むということとその姿勢、その背中を見せるということです。
というのも、居合や剣術の型稽古と違い、真剣というのは一振り一振り個性的なもので、それぞれ扱い方が微妙に異なることと、それを扱う人というのもまた、一人ひとり個性的な存在であるからです。
つまり、手本・見本を示したところで、それは「私が私の刀を使った場合」の事例になるだけで、そこに普遍性はあまりありません。
したがって、指導するのであれば、その人自身、その人の使う刀の個性を見抜いて適切にアドバイスする必要があります。
ある程度技量のある人においては、基本的には課題も練習する技も任せきりですが、そこに至るまでは、どんな技を行うべきか手順を指示します。この手順は、いち早く一定の技量に到達することができるように組んであります。
あとはその手順通りできるようになるために、自身の身体をどう運用すればいいか。稽古時にはひたすら自己の内面と向き合う時間にしてほしいと思っています
また、真剣試し斬りというのは読んで字の如し、真剣を用いた試し斬りですから、居合・剣術稽古で常日頃から練習していることの実証実験の場であり、確認の場です。
練習通りにできれば斬れますし、そうでなければ斬れません。ただそれだけです。つまり、常日頃の練習こそが肝心というわけです。
ただ、単に確認作業だけであれば集まってやる必要もないというか、指導する必要も薄くなってしまいます。そこで、前述した、指導者が自分自身の課題に取り組み、その試行錯誤の姿を見せる、ということです。
指導者が進歩発展しているのであれば、課題は次々と新しいものに変わっているはずです。教わる方からすれば、毎度新しい課題、新しい技に取り組む姿を見ることができるということになります。
その中に、「いつかは自分もあの技で斬ってみたい!」「力まずさらっと簡単に斬れるようになりたい」というように、メンバーの目標になるような姿が見せられればと思うのです。
メンバーに進歩発展を望むのであれば、誰よりも自分自身がその手本・見本となるように、技でではなく進歩発展し続けるその姿自体を課題に挑戦するプロセスと共に見せる。自らが率先垂範して背中を見せられる指導者でありたい、と常日頃からそう思っています。
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