社長ブログ

刀剣のメンテナンスに無印のメガネ拭きが最高に役立つ

来月で居合はじめて丁度一年になる。
私が稽古しているのは実践的な古流居合兵法。実戦を想定し真剣で斬る鍛錬を積むことで、刃筋や剣先のスピード、角度など、真に斬れているかどうか、一つ一つ確認する。

「斬る」と「斬れる」の違い

「斬る」と「斬れる」は違う。日本刀は世界一の刃物と言われるように、元来物凄く斬れる。斬れるために素人が振っても基本的な斬りであれば斬れてしまう。
毎週金曜日の夜に斬る体験をしていただこうと、試斬体験会を開催しているが、はじめての方でも案外「斬れる」。先日は小学校6年生の男の子も参加していたが、見事に「斬れる」。
このように「斬れる」ものであるが、斬る場所や斬り方、間合い、想定するシーンに合わせた体捌きなど動きの中でいかに斬るかを稽古し始めるとこれがなかなか難しくなる。

注)「斬る」と「斬れる」の違いについて、ただ単に「斬る」のと、実力が伴って「斬れる」とは違う、というように、こことは逆の定義で説明する人もいるが、ここでは意思をもって斬るべくして「斬る」のと、なんとなく斬れちゃったという「斬れる」を区別して用いている。どっちがどっちでも良いが、とにかく「斬る」と「斬れる」は違うと言いたいのである。

気剣体の一致を目指して

呼吸、タイミング、気の入れ具合、手の内、正しい素振りに刃筋に力の配分などなど、すべてが完璧に一致してはじめて「斬れる」ではなく「斬る」ことができる。
これを気剣体の一致と言ってこの状態を目指して稽古している。
初心者には貸出用の刀で体験していただくが、初心者には気剣体の一致はまず不可能であるから、振れば斬れるナタのような剛刀で斬ったりする。
この刀を使えば、ある程度力がある人であればほとんど「斬れる」。しかしこれは「斬る」のではなく「斬れる」という意味合いにおいて。

自分の刀を手に入れる

先月自分の刀を手に入れた。力任せに刀を振り回して「斬れる」から、真に「斬る」を目指して。手元にやってきた刀は、日本五ヶ伝が一つ「備前伝」の刀身で室町期の古刀(江戸幕府開闢時の慶長時代以前の日本刀を「古刀(ことう)」と言い、それ以降は「新刀」と言う)。身幅狭く刃は薄く、見た目に華奢であるが、正しく刀を振るうことができさえすれば、この上なく鋭い斬りができるものだ。
ところが、この華奢な刀を力任せ振ってしまうととんでもないことが起こる。刀がグニャリと曲がってしまうのだ。良い刀とは靭性に優れ曲がれども折れないしなやかさを備えているというが、まさに言葉通りである。刃筋がビシッと通って斬ることができれば、抵抗を少しも感じること無く見事に斬ることができるが、少しでも刃筋がブレて斬り損じれば曲がること必至だ。

良刀の条件

良い刀=斬れる刀かというと必ずしもそうとは言い切れない。日本刀はよく「折れず、曲がらず、よく切れる」と言われるが、日本刀に求められる条件はこの言葉の順番通りだろう。日本刀は刀身で鎧兜を叩き割ったり刀身同士を斬り合わせたりする。甲冑はもとより、人体には硬い骨がある。
こうした使用に際して一番求められることは「折れないこと」なのだ。多少切味が悪くとも折れなくて頑丈な刀が武器本来の性能としてはまず第一番に要求されたのである。
そもそも古刀と新刀ではまるで鋼が異なる。鋼が異なるため製法も異なる。古刀の多くはアンコのように心鉄を入れないのに粘り強くしなやかでそして強靭だ。新刀以降は一般的にポキリと折れやすいと言われている。現代刀に至っては部屋の蛍光灯のナイロン紐を斬っただけで刃こぼれしたり、切先が床に触れただけで折れてしまうものが多くあるという。それもそのはず、現代刀は日本刀としての本来の必要具備要件を全く想定していないため、戦闘のための武器より美術品としての価値を追求しているのかもしれない。
話が脱線したが、日本刀にとって切味はとても大切ではあるが、それ以前に大切な要求性能がある。それが強靭性だ。古刀が粘り強く丈夫であるのは鋼そのものと製作方法がまったく現代と異なるからだが、もう一つ言える事は、古刀でも消耗品として折損した刀は膨大な数があっただろう。今残ってるのはいわば生き残りである。残るべくして残った丈夫な刀=良刀だと言えそうだ。

刀剣のメンテナンス

自分の刀を手に入れたのでメンテナンスも自分ですることとなる。
メンテナンスの初歩の初歩といえば、注油である。
無水エタノールで刀剣の油や汚れを綺麗に拭い去った後、刀油を薄く塗り伸ばす。こうしてサビの発生を防止するわけだ。
さて、このメンテナンスに使用する布切れをどうしたものか、正式には拭い紙やネル布を用いるのだが、そこそこに高価だ。
それに毎週試斬(試し斬り)の稽古をする私のようなヘビーユーザーには、もっと安価で気兼ねなく使えるものが良い。なにか適当なものはないか探していたところ、普段から携帯している無印良品のメガネ拭きを思いつく。
スクリーンショット 2015-05-07 15.12.15
使ってみるとこれがとても具合が良い。
安いし、いまではファミリーマートでも手に入る。
検索してみるとこのメガネ拭きの使い道についていろいろな記事がある。

使ってみればわかるが、汚れはよく落ちるし、毛羽立たない。特に、メガネ拭きだけあって、皮脂油をとるのに優れているため、油汚れはお手のものだ。
コスパにも優れ気兼ねなく使えるのもいい。
皆さんも是非お試しあれ。

2016年8月3日追記

今は更に経済的な方法を見つけたので完全にそっちに移行している。
使いふるしのTシャツ(綿100%)を裁ちばさみで適当な大きさに切ってつかっている。通常刀拭いによく使われるネル、先日、日暮里繊維街に行った時に洋品店の人に聞いてみたらネルとは英語でフランネル(flannel)の略で、柔らかく軽い毛織物のことをいうそうだ。フランネルは当初カーディングが施されたウールまたはウーステッド糸から作られたが、現在ではウールと綿、ウールと合成繊維から作られることもあるとのこと。
コットン100%のネルのことをフランネレット(Flannelette、後述のコットン・フランネルと同様に「綿ネル」の訳語が充てられる)毛羽だった綿はがフランネルの風合いに似た薄くて軽量な平織物であるが、北アメリカではこのフランネレットをフランネルと呼ぶなど混同が起こっている。
まぁ細かい事情はさておいて、捨ててしまうものが再利用できるのであるから、とても経済的で環境にも優しい手法だと個人的には満足している。
余談だが、一枚のTシャツから結構な量のネルを切り出すことができ、もう一生拭い布には困らないだろう。

後藤 健太

後藤 健太

サムライ社長/株式会社コンセプト・コア 代表取締役

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