「ありのまま」と「あるがまま」の違いについて

  1. 問題解決
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【読了の目安 : 4 分】

ありのままの自分とは

アナと雪の女王が大ヒットした。

日本ではアナ雪の略称でも呼ばれるアナと雪の女王は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズ製作による2013年公開のアメリカ合衆国の3Dコンピュータアニメーション・ミュージカル・ファンタジー映画で、2013年度アカデミー長編アニメ映画賞受賞作品である。

映画そのものもさることながら、松たか子が歌う主題歌が一世風靡した。とくにその歌詞は強烈なインパクトをもって国民に受け入れられた。一方で、「ありのまま自分とは何か?」という根源的な問いを投げかけ、より一層アナ雪ファンの心に突き刺ささることになる。

アナ雪現象は、ついには「ありのままの自分探し運動」にも発展していったかのようだ。

アクセス数急増のわけ

アナ雪人気にあやかってか、はたまた、「ありのままの自分探し」の旅に出てしまった、迷える子羊たちが急増しているせいか、この記事へのアクセス数が急増している。

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などだ。

「ありのまま」か「あるがまま」か

「ありのまま」「あるがまま」という言葉がその区別も曖昧なまま混在して使われている。

この言葉の微妙なニュアンスの違いを深く考える方はあまりいないのだろう。

そもそも、あるがままという言葉は存在しない。

筆者の愛用する1冊4キロ近くもある講談社の日本語大辞典と小学館の大辞泉を引いてみたが、「ありのまま」はあっても「あるがまま」の記述はない。

「あるがまま→ありのままを参照」という言葉すらも。

「ありのまま」と「あるがまま」の違いを論じる理由

言葉として存在しないものについてあえて言及しようとするのには理由がある。

辞書には載っていないが、ネットで検索すれば散々ヒットすることから、それがすでに常用語として一般的に用いられてしまっているということ、それによって今後辞書にも単語と用例登録がされるかもしれないことを見込んでいるからだ。

なにより、言葉の持つ微妙はニュアンスの違いが、その意味やコンセプトをよりくっきりとコントラストをつけてくれ、理解の助けになるからだ。

「ありのまま」と「あるがまま」の違いとは

問題解決において、現状把握が重要であることは今更言うまでもない。

問題を解決するには、何が起きているのか現実を「ありのまま」に捉えよというわけだ。

しかしながら、物事を「ありのまま」に捉えると、しばしば問題解決できないという事態に陥ることがある。問題は物事を「あるがまま」に捉えないと解決できない性質があるようだ。

この時、「ありのまま」「あるがまま」はなにがどう違うのだろうか。ここからはあくまで筆者の定義である。今回、9月17日に改めて収録した下記動画で分かりやすく説明しているのでご覧頂きたい。

仕様と状態

「ありのまま」とは、仕様(スペックやデータ)を表している。これに対し、「あるがまま」とは、状態(ステータス)を表している。(*注;あくまで筆者の定義である)

動画の中で、富士山の「ありのまま」「あるがまま」について言及しているが、「ありのまま」の富士山とは、ちょうどウィキペディアに掲載されている情報で表現されるものを言い、「あるがまま」の富士山とは、富士山のオフィシャルサイトで確認出来るような、今この瞬間の富士山(ライブ情報)であると説明した。

言わずもがな、問題解決においては、「ありのまま」の情報だけでは不十分で、「あるがまま」の情報が必要である。問題を認識するためには、今何がどうなっているのか、という事実把握の認識論的アプローチが欠かせないからだ。

たとえば、問題とは理想と現実のギャップであるから、ちょうど登山に例えることも出来る。例えば富士山登頂という最終ゴール(理想状態)があったとして、吉田ルートで登山する場合、現地点との標高差が1450メートル、往復距離が14キロあるとする。登り時間の目安は、6時間10分で、下り時間の目安は3時間30分だ。

登頂を実現するためには、富士山がどういう性質や仕様の山であるかという「ありのまま」の情報に加え、天気や気温、そして混み具合など、今の富士山がどうなっているのかという「あるがまま」の情報が必要だ。

まとめ

あるがままという言葉は存在しないが、一般的に使われている現状がある。やがて常用新語として登録されるであろうことを見越して、あえて「ありのまま」と「あるがまま」の違いについて、筆者なりの理解と解釈で論じてみた。

「ありのまま」とは仕様(スペックやデータ)を表し、「あるがまま」状態(ステータス)を表す。

問題解決において物事を正しく認識するためには、「ありのまま」の静的な情報にくわえ、「あるがまま」の動的な情報が必要不可欠である。

ありのままの自分を探す時、それは過去の経験や知識がスペックやデータとして蓄積・固定化されたものであり、もしかしたら、既成概念や固定観念、思い込みや囚われに支配されている自分かもしれない。

その囚われに気づき、真の自分に気づくためには、あるがままの自分をよく観察してみることだろう。今なにを感じどう思っているのか、その心象に意識を集中させ、感情や心の動きに耳を澄ませるのだ。

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