新渡戸稲造は、武士道を義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義という7つの徳目にまとめました。武士道を仕事に活かすにあたって、まずはこの7つの徳目を一つずつ紐解いていきましょう。「義」は武士道の中で最も重要な概念です。不正や卑劣な行為を自ら戒め、命を賭して正義を貫く精神です。目的達成の為には何をしてもいいというのでは具合がよくありません。人は往々にして損得を基準に判断してしまいがちです。人として正しいかどうか、良いことか悪いことか、正不正といった善悪を判断基準とすること。それが義なのです。ビジネスで言えば、儲かりさえすれば良いと利益追求主義に陥ると人を不幸にします。欧米の経営学者や経営者達は、この教訓から今日本の武士道を熱心に研究しています。その中で一番大切とされている概念もまた義なのです。義を欠く者は不義に泣く、と言います。義には「正しい行い」の他に、「打算や損得から離れた」という意味があります。義を重んじる会社が増えると世の中はもっと素晴らしくなると信じています。(太)
「満福通信」2020(令和2)年5月号より
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